楽天ドラ1早川、開幕3戦目デビュー決定 他球団が警戒する「開幕3連勝の公算」

楽天・早川隆久【写真:荒川祐史】
楽天・早川隆久【写真:荒川祐史】

投手陣充実で高い下馬評にも石井監督は「みなさんが過大評価してくれる」

■楽天 3-1 DeNA (オープン戦・14日・静岡)

 楽天のドラフト1位ルーキー・早川隆久投手は14日のDeNAとのオープン戦(静岡)に、2番手として6回から登板。4回1安打5奪三振無失点の快投を演じた。公式戦開幕後は、開幕投手の涌井秀章投手、2戦目先発の田中将大投手のあとを受け、3戦目の28日・日本ハム戦(楽天生命パーク)でプロ初登板初先発することが正式に決まった。

 前回登板の7日の中日とのオープン戦(バンテリンドーム)では、変化球の時に腕の振りが鈍る癖が発覚し、4回8安打3失点とやや打ち込まれた。だが、1週間で修正して見せるところが、この新人の大物たるゆえん。この日は6回先頭の関根から外角低めのチェンジアップで、続く同い年のドラフト2位ルーキー・牧からは内角低めに食い込むカットボールで連続三振を奪い、以降もDeNAに付け入るスキを与えなかった。

 石井一久監督は試合後、早川に開幕3戦目先発を正式に通達したが、実は2月の沖縄・金武キャンプの第2クール(6~9日)に早くも「3戦目を考えているからね」と伝えていたという。4球団競合の末にクジで引き当てた早川の実力を、いかに高く評価していたかがうかがえる。「“大人の投手”なので、しっかり精神状態を整えてシーズンに備えてくれるとわかっている。そこは信頼しています」とぞっこんだ。

 早川は「自分が投げる試合はモノにしていきたいですし、中継ぎの方々にあまり負担をかけないように、長いイニングを投げられるようにしないといけない」と新人離れした、責任感に満ちたセリフを口にした。

他球団スコアラーは岸、則本昂も控える強力先発陣を警戒

 これで開幕3連戦は涌井、田中将、早川の順で先発することが決定。相手は昨季5位の日本ハムだ。石井監督は先月27日に開幕投手・涌井、2戦目・田中将を発表した際、「涌井で勝って、田中で勝って3連戦の勝ち越しを決めるのが理想。強いピッチャーを2人持っていく」とその意図を説明したが、それだけではない。

 他球団スコアラーは「涌井、田中将で連勝を飾れば、3戦目の早川も重圧が軽くなり、3連戦3連勝の公算が大きくなる。そうなったら、楽天は一気に走ってしまうかもしれない」と警戒を強めている。開幕2カード目の30日からの対ロッテ3連戦(ZOZOマリン)にも、先発として岸孝之、則本昂大が控えている。開幕ダッシュの青写真は出来上がっているのだ。

 実際、先発投手陣の充実で、今季の楽天の下馬評は非常に高い。これに対し、石井監督は「みなさんがそうやって過大評価してくれるんで、非常にうれしい」とはぐらかした。小山伸一郎投手コーチは「いろんな方が『タレントがそろっている』とか評価して下さるが、パ・リーグの他5球団もいい選手が多い。シーズンが始まってみないとわからない。打たれることも、なかなか勝てない時期もあるだろうが、そこをこの投手陣で踏ん張っていきたい」と表情を引き締めた。これもまた、気の緩みさえなければ勝てるという自信の裏返しに見えなくもない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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