DeNA入りの宮國椋丞を支えた「亡くなったオヤジの一言」 巨人戦力外からの壮絶124日間
DeNA育成契約の宮國が入団会見「正直少し諦めかけた気持ちもあったんですけど」
DeNAは15日、巨人から戦力外となっていた宮國椋丞投手と育成選手契約を結ぶことで合意したと発表した。背番号は「106」。横浜市内の球団事務所で入団会見を行い、「ここから這い上がる気持ち。チームの勝利に貢献できるように支配下登録を目指していきたい。(巨人が)リーグ優勝、連覇していますので、僕の中でも打倒・ジャイアンツでやっていきたい」と意気込みを語った。
巨人の戦力外通告から約4か月。昨年12月に12球団合同トライアウト、3月にはDeNAの球団施設で極秘で行われた入団テストを受けてNPB復帰にたどり着いたが、厳しい道のりだった。1月に巨人時代の師匠・内海哲也(現西武)の自主トレに同行。2月は内海のトレーナーだった保田貴史氏と共に神奈川県内のグラウンドを借りてトレーニングを継続した。
「時期も時期なので、正直少し諦めかけた気持ちもあったんですけど、こうやってお話をいただけたことはすごく感謝しています。何度か心折れそうになりましたけど、何とかやって来られました」
「12月から4か月ぐらいですかね……。周りに支えてくれた方々がいらっしゃるんですけど、プレーヤーとして1人でやってきまして。こういう話をいただいた時はすごく嬉しく思いました。不安も多少あったので。自分でも、これまでにない感情があったのかなと思います」
亡き父親の言葉が支えとなった。2017年2月1日。父・透さんが急性心筋梗塞のため56歳で他界。元高校球児だった父の生前の言葉が胸に刻まれていたという。
「周りの方々の支えがすごい身に染みて痛感していました。そういった方々のためにも、NPBのマウンドに復帰したい思いもあった。一番は亡くなったオヤジの一言がありました。多少、諦めたり、心折れかけたりもしたんですけど、今までやってこられたのかなと思います」
「『投げられるんだったら1年でも長く野球を続けなさい』とずっと言われていたので。そういう言葉が僕を後押ししてくれたと感じてます」
エース今永、東が故障明けで、ピープルズらの外国人選手の来日が遅れている。三原一晃球団代表は「チーム事情とは違う」と明かした上で、まずは先発投手として調整させる考えを示した。「一番は母親に報告したいなと思います。(内海らにも)感謝の気持ちを伝えたいです」と宮國。育成契約からの再スタートとなるが、新天地で輝くチャンスは大いにありそうだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)