西武の「開幕三塁」はイケメンルーキー? 出遅れたおかわり君&よくばり君を横目に…

広島戦に出場した西武・渡部健人【写真:宮脇広久】
広島戦に出場した西武・渡部健人【写真:宮脇広久】

ドラ1渡部は“1軍デビュー戦”で投ゴロ、失策も

 一方、この日遅ればせながら1軍に合流したのが“ドラ1”の渡部。体重112キロの巨漢と長打力が注目される通称「よくばり君」は昨秋の試合で右肩を痛め、キャンプは終始B班(2軍)暮らしだった。この日の1軍合流も、正式な昇格ではなく“お試し”の意味合いが強い。球団関係者によると、神奈川県内に住む両親は当初横須賀で行われる2軍戦を観戦に訪れる予定だったが、急きょ行き先をメットライフドームに変えた。

 ブランドンの後を受け、6回から三塁の守備に就くと本拠地のスタンドに駆け付けた4730人の観客から大きな拍手が沸き起こった。7回先頭での初打席は、広島の4年目右腕・ケムナに対し、最速150キロのストレートとスライダーでカウントを2-2とされ、初見の118キロのカーブを打ち損なって投ゴロ。8回の守備では高橋大の痛烈なゴロをはじき、初エラーのおまけまで付いた。

 どことなくユーモラスな雰囲気を漂わせ、存在感は抜群。辻監督も「ようやく野球ができるようになったので、どういう打撃をするのか見てみたくて呼んだ。凡打にはなったが、雰囲気があって将来が楽しみだと思います」と評したが、「まだまだ。(プロの世界は)そんなに甘くない」とも。17日の阪神戦(メットライフドーム)に引き続き出場するが、開幕1軍は難しいというのが現状だ。

 キャンプ終了後に2軍に合流した20年目・37歳の中村は、19日のDeNA戦(メットライフドーム)から1軍に復帰する見通し。とはいえ、昨年も右ふくらはぎの張りでキャンプからB班スタートとなり、シーズンも打率.213、9本塁打の不振に終わった経緯があり、無理はさせられない。

 イケメンのハーフが、故障で出遅れた元祖おかわり君とよくばり君をリードする展開。誰を取ってもキャラは立っている。出場機会を維持するためにいったん2軍戦に回っている佐藤龍世内野手を含め、シーズンを通してホットコーナーを占めるのは誰になるのだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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