西武・今井に求められる奮起… 高3夏に頂点極めた右腕が同学年の阪神・佐藤輝に被弾

ローテの軸として期待された昨季は3勝4敗、防御率6.13に終わった

 前述の梅野の三盗のみならず、1回2死一塁ではサンズの初球に一塁走者・大山に二盗を許すシーンもあった。「初球から4番に走られたり、三盗されたり……開幕前にこういうのをやってもらって良かったと思います」と指揮官も教訓として受け止めるしかなかった。チームは先発投手陣が手薄。開幕ローテの一員として期待されている状況に変わりはない。

 昨年のオープン戦では快投を続け、「ダルビッシュを彷彿とさせる」とまで評され、先発ローテの軸として大いに期待された。しかし、ふたを空けてみれば制球が定まらず、カウントを悪くしては一発を食らうパターンが続いた。結局3勝4敗、防御率6.13に終わった。

 一昨年オフには楽天・涌井秀章投手の自主トレに“弟子入り”して走り込みに徹し、昨秋には面識のなかったダルビッシュ有投手(パドレス)にSNSのダイレクトメッセージで相談を持ち掛け、アドバイスをもらった。本人もきっかけをつかもうと必死だ。

 潜在能力の高さは誰もが認めるが、同い年の選手が大学を経由してプロ入りしてきただけに、いつまでも「若手成長株」ではいられない。今井が栃木・作新学院のエースとして全国の頂点を極めた高3の夏、佐藤輝を擁する兵庫・仁川学院高は県大会初戦で5回コールド負けを喫した。時は流れた。そろそろひと皮むけて、プロとして輝きを放ちたい。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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