小学6年時に最速128キロをマーク 優勝候補の健大高崎に“二刀流”右腕あり

健大高崎の“二刀流右腕”・野中駿哉【写真:片倉尚文】
健大高崎の“二刀流右腕”・野中駿哉【写真:片倉尚文】

背番号「7」の野中は昨秋の関東大会に全4試合で先発

 第93回選抜高校野球大会がいよいよ開幕。19日の大会第1日第3試合では優勝候補の一角とされる昨秋の関東王者・健大高崎(群馬)が登場、下関国際(山口)と激突する。昨秋の公式戦10試合で15本塁打を放つなど強力打線を武器に関東大会を制したチームには“二刀流右腕”がいる。

 背番号「7」を付ける野中駿哉投手(3年)は昨秋の関東大会では全4試合に先発。3種類のツーシームを駆使し、20イニングを投げて防御率1.35と安定した投球をみせた。打っても昨秋までに14本塁打をマーク。登板しない時は外野手として出場する見込みだ。

 小学生時代にはライオンズジュニアに、高崎中央ボーイズでは群馬県選抜に選出された野中は投手と野手、両方を志して健大高崎に進学。最速139キロの直球に「シンカー系、直球に近い軌道、フォーク系」の3種類のツーシームを投げ分け、昨秋の関東大会制覇の原動力となった。

 しかし、このオフ期間に軸足を置いたのは野手としての練習。投手練習を再開させたのは今年の2月だったという。「(青柳)監督にお願いして野手の練習をやらせてもらいました。バッティングで結果を出したかったので」。一方で投手としての調整も順調。「感覚は戻っています」と手応えを口にする。

 健大高崎の投手陣は野中、背番号「1」を背負う高松将斗(3年)、「10」の今仲泰一(3年)らの継投が見込まれる。「計算できるのは野中。先発として試合を作ってくれる。もちろん野手としても期待しています。登板しない時は外野で出場するでしょう」と青柳監督は語る。

 小学6年時にソフトボール投げで91メートルを記録した逸材。ライオンズジュニアでは最速128キロをマーク。大阪桐蔭の右腕・関戸康介投手はホークスジュニアで129キロをマークして話題になったが、野中も当時凄まじい直球を投げ込んでいた。

 172センチ、80キロのがっしりとした体格。“群馬の二刀流”が聖地甲子園でどんなパフォーマンスを見せてくれるか、注目される。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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