西武の山賊打線は復活するか? クリーンアップ盤石も課題は「1番」と「左翼」

辻監督「調子のいいやつと悪いやつで、バランス良く戦っていければ」

 しかし、一昨年まで秋山翔吾外野手(現レッズ)が占めていた1番打者のスポットは、今季も埋め切れていない。筆頭候補の金子侑司外野手は、俊足を生かしたセンターの守備には目を見張るものがあるが、打撃はオープン戦11試合出場で打率.226、出塁率.286と物足りない。辻発彦監督は「金子に(1番を)打ち続けるくらいの活躍をしてほしい」と祈るような表情を浮かべる。

 さらに今季はコロナ禍で、昨季15本塁打、57打点をマークしたコーリー・スパンジェンバーグ内野手に来日のメドが立たず、レフトのポジションが空いた格好。オープン戦では22歳の鈴木将平外野手、21歳の西川愛也外野手らを起用したが、決め手に欠けた。

 また、栗山と並ぶチーム最年長野手の中村剛也内野手は、左ふくらはぎを痛めて出遅れ、ようやく1軍に復帰した19日のDeNA戦で2三振1併殺打。翌20日のヤクルト戦では中前打2本を放ったものの、この日は2三振1死球。1軍レベルの球に目が慣れていない印象だ。開幕までにどこまで調整するか。辻監督としては、三塁に売り出し中のドラフト6位ルーキーのタイシンガー・ブランドン大河内野手(登録名・ブランドン)を起用し、左翼に栗山、DHに中村を配するオプションを含め、智恵の絞り所となる。

「年間を通して打ち続けるバッターはなかなかいない。調子のいいやつと悪いやつで、バランス良く戦っていければ」と辻監督。就任5年目を迎えた指揮官のタクトで、2021年度版の山賊打線を機能させる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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