リーグ最多登板記録持つリリーバーから頼れる先発へ… 西武平井の課題とは?
辻監督「左打者に対してどう攻め切れるか」
チーム防御率が3年連続リーグワーストと低迷している西武投手陣は、今季もコロナ禍で昨季開幕投手のザック・ニール、新外国人左腕マット・ダーモディに来日のメドが立たず、先発陣が特に手薄。一方、救援陣は守護神の増田達至をはじめ、昨季新人王の平良海馬、最速162キロのリード・ギャレット、2年目の宮川哲らが比較的安定し、結果的に平井の転向直訴は渡りに船となった。
平井の課題は左打者対策だ。昨季は右打者を被打率.239に抑えながら、左打者には.293と打ち込まれた。この日も、8安打中6本を左打者に打たれる形に。右サイドスローの平井のウイニングショットは鋭いスライダーで、右打者には有効だが、左打者には体に向かっていく曲がりとなり、空振りを取りにくい。チェンジアップなどに活路を見出そうとしているが、現状の精度はいまひとつ。辻監督も「左打者に対してどう攻め切れるか」と指摘する。
開幕投手の高橋光成、2年目左腕の浜屋将太に続き、平井は開幕3戦目の28日・オリックス戦(メットライフ)に先発することが濃厚。2カード目の日本ハム戦(札幌ドーム)は2連戦で、幸い先発ローテの1周り目は5人で済む。松本航、今井達也に次ぐ6枚目は、2年目20歳の上間永遠らが候補になるが、じっくり調子を見極めることができる。
強力「山賊打線」を味方につける西武の先発投手は、完璧とはいかなくとも、大量失点さえ防げば勝てる確率が高まる。これまで来る日も来る日もマウンドに立ち続けてきた平井の“まとめる力”に期待がかかる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)