則本昂大が復活しなければ「楽天は2位」 GG賞7度の名手が挙げるセパのキーマン

ヤクルト・山田哲人【写真:荒川祐史】
ヤクルト・山田哲人【写真:荒川祐史】

山田哲人に寄せる期待「全試合フル出場に近いものが求められる」

 もうひとりは、トリプルスリーを3度達成したスターで、昨季は故障に悩まされたヤクルト・山田哲人内野手。昨季は脇腹を痛めるなどコンディション不良に悩まされ、94試合出場、打率.254、12本塁打8盗塁の不本意な成績に終わった。国内FA権を行使せず残留を決め、総額約40億円(金額は推定)の7年契約を結んで臨む今季は、自ら志願して主将にも就任した。

 ところが、今月20日の西武とのオープン戦(メットライフ)では先発出場しながら、下半身の張りで2回の守備から交代。オープン戦最終戦だった翌21日の同カードは欠場した。開幕スタメンは間違いなさそうだが、シーズンを通しての活躍に暗雲が垂れ込めた。

 ヤクルトOBでもある飯田氏は「本来、他の選手をぐいぐい引っ張るタイプではない。主将就任直訴は、よほど期するものがあったのだと思う」と認めた上で、「やってもらわないと困る。山田には『開幕に間に合う』だけなく、シーズン全試合フル出場に近いものが求められる。チームの顔であり、高い年俸をもらっていて、責任がある立場ですから」と奮起を促す。

 今季のヤクルトは、21歳の主砲・村上宗隆の進境が著しい。39歳の青木宣親、36歳の坂口智隆、ソフトバンクを退団して加入した内川聖一もオープン戦で好調だったが、「チームの軸である山田がいてこそ生きる」と強調する。

 則本昂と山田はともに、チームと大型の7年契約を結んでいる。不振のシーズンがあれば批判の対象になりやすい重圧もあるだろう。年齢的には則本昂が30歳、山田は28歳で働き盛り。輝きを取り戻し、チームを浮上させることができるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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