仙台育英に根付く“パワプロ理論” 令和のデータ野球で「頂点まで駆け上がる」

仙台育英・須江航監督【写真:編集部】
仙台育英・須江航監督【写真:編集部】

球速や回転数、スイングスピード、走力など、あらゆる能力を細かく数値化

 第93回選抜高校野球大会が行われた25日、第2試合で仙台育英が13-5で神戸国際大付を下し、準々決勝に駒を進めた。中止となった前回大会に続き、今大会も優勝に向け自信をのぞかせる須江航監督。その自信の裏には膨大なデータに裏打ちされた“パワプロ理論”がある。

 仙台育英は1回、5番・秋山俊外野手の適時打で2点を先制。その後も得意の足を絡めた攻撃の手を緩めず、神戸国際大付を突き放す。投げては先発の松田隆之介投手が6回1失点の好投。なおも粘る神戸国際大付を細かい継投で振り切り、ベスト8一番乗りを果たした。

「組み合わせが決まった段階で、頂点まで駆け上がるぞと。一戦必勝はもちろんですが、古川と伊藤以外の投手で勝ち上がる必要があった」と須江監督。悲願の東北勢初優勝を視野に、大会前からしきりに手応えを口にするなど、高校野球の監督にしては珍しく強気の言葉を口にするが、その根拠は圧倒的なデータの裏付けにある。

「須江先生はとにかくデータ重視。球速はもちろん、回転数やスイングスピード、走力、守備力など、あらゆる能力を細かく数値化して、誰が見ても成長過程がわかるように分析している。それこそ、パワプロの育成モードのように選手個々の能力をバロメーターにしています」と語るのは同校の石垣恭和コーチ。

 自信の言動についても「もちろん、指揮官自らポジティブな言葉を口にして選手のモチベーションを上げるという目的もありますが、データという根拠のある自信だからこそ、選手もただのハッタリじゃないと自信がつく。自分の成長がデータで見えるから、練習にも一生懸命取り組むようになるし、今自分に何が足りていないのかもわかる。パワプロで例えましたが、ゲーム感覚で技術が上達するので、あながち間違いでもない」とその意図を明かす。

 試合後、「相手先発の阪上くんは肘の状態がよくないように見えました。点差はこうなりましたけど、個々の能力を一人一人9ポジションで比較すると、戦力差はそれほどない。だからこそ、打線のつながりを切ることを意識した」と理路整然と勝因を挙げた須江監督。“令和のデータ野球”で東北勢の悲願を実現できるか。

(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)

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