阪神藤浪ら今季は7人が“初体験” 元NPBコーチが語る開幕投手を託す意味とは

ロッテ二木は「エースになってもらいたい期待の表れ」

 中日は昨年沢村賞を受賞した大野雄大ではなく、福谷浩司が初の大役を務める

「福谷は先発としての実績は少ないですが、昨年は先発としていいパフォーマンス(14先発、8勝2敗)を見せましたし、人選としては大いにアリでしょう。抑えの厳しい場面を経験してつかんだものを先発でも生かせていると思います。昨年の成績を考えると大野(雄大)が妥当という声があるのも分かりますが、あれだけ完投(10完投)して疲労が残っている可能性もあります。負担を軽減するという意味でも、福谷というのは面白い考えだと思います」

 ロッテは昨年、自己最多の9勝をマークした二木康太が初の開幕投手に指名された。昨年チームトップの10勝を挙げた美馬学ではなく、なぜ二木なのか。

「ソフトバンクに相性がいいこともあると思いますが、チームの期待の表れだと思います。昨年はエース番号の18番をもらって9勝。2桁勝利に一歩届かなかった。先発にとって2桁勝利は、周囲に認められるための条件のひとつと言えます。2桁勝って、本当の意味で投手陣の中心的存在、エースになってもらいたいという思いがチーム内にあるのでしょう。開幕投手に指名されたことで野球への取り組み方や価値観が変わり、自覚も出てくるはずです。オープン戦でもロッテの投手の中では一番いいパフォーマンスをしていましたし、期待できるのではないでしょうか」

 開幕戦は「単なる143試合の中の1試合にすぎない」という人もいる。しかし先発マウンドを任されるということは様々な意味があるということだ。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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