阪神ドラ1佐藤輝が衝撃1号を打てたワケ… 専門家が分析「OP戦と攻め方変わっている」
予想外の攻めにも「平然とした表情でいる所は大したもの」
野口氏は「打ち取られた打席は、内角をうまく使われている。今後、徹底的に内角へ投げられたり、厳しいコースで内角を強く印象づけられたりということが増えると思う」と予測する。「ヤクルトの村上も、徹底的にインハイを攻められて苦労した時期があったが、そこを克服して1回り大きな打者になった」と指摘。佐藤輝の今季成績については、開幕前から「20本塁打は打つ」と見ているが、「打率はまだ読めない。内角攻めに悩めば2割台前半に終わってしまうかもしれないし、意外に早く対応できれば3割の可能性もある」と語った。
いずれにせよ、大物であることには疑う余地はない。「内角を攻められたり、思わぬ攻めをされた時にも、内心はわからないが、平然とした表情でいる所は大したもの。新人離れしている」と野口氏は言う。確かに時折、顔に近いコースを攻められても、大きくのけぞることなく平然と見送った。第3打席で見送り三振に倒れたても「おそらく変化球を予想していて、ストレートに手が出なかったのだろうが、それを引きずることなく、次の打席では外角の変化球を軽打して左前へ運んだ。なかなかできることではない」と野口氏は感心することしきりだった。
オープン戦で12球団最多の6本塁打を放ち、相手は開幕早々から対策を練っているが、それを打ち破る勢いのルーキー。予断を許さない戦いが続くが、野口氏は「新人でそこまで相手にマークされるだけでも凄いですよ」と苦笑する。ますます佐藤輝の打席を見るのが楽しみになってきた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)