“最後の夏”へ募る危機感… 早実・清宮福太郎、初戦敗退に「自分たちが1番驚いている」

国学院久我山戦に出場した早実・清宮福太郎【写真:川村虎大】
国学院久我山戦に出場した早実・清宮福太郎【写真:川村虎大】

清宮タイムリーも反撃及ばず…夏はノーシードからの戦いに

 高校野球の東京都春季大会が4日に行われ、ダイワハウススタジアム八王子では、早実が国学院久我山と1回戦を戦った。日本ハム・清宮幸太郎内野手の弟で、主将の清宮福太郎外野手は「4番・左翼」で先発出場。8回にタイムリーを放つものの、1-4で1回戦敗退となった。

「衝撃的ですね」

 開口一番、清宮は危機感を口にした。「ここまで弱いと思っていなかった。世間も家族もこの結果に驚いたと思うが、自分たちが1番驚いている。練習試合でそこそこ勝っていたので、驕っていたと思う」。国学院久我山の先発・高橋から9安打を放ちながらも、得点は清宮のタイムリーの1点のみ。8回まで9奪三振と、高めの速球の見極めができなかった。

「精神的に成長できていない。石郷岡や壽田ら主力になるであろう選手が、中心になって打っていかないといけない」。和泉監督は、それぞれ1安打に終わった2人に奮起を求めた。

 終始リードを許す試合展開。4点を追う8回に先頭の壽田がヒットで出塁し、清宮の右中間を破るタイムリーで1点を返したが、後が続かなかった。無死一、二塁のチャンスで、続く5番の辻村が三塁への併殺打、途中出場の倉光は見逃し三振に倒れた。最終回も三塁まで走者を進めるが、本塁が遠かった。「夏ではなかったのが唯一の救い」。最後まで清宮の顔は険しかった。

 ノーシードで夏を迎えることになったが、和泉監督は前を向く。「元々心配事が多かったチーム。今回はそれがあらわになってしまった。自分たちが今どの位置にいるのかがわかったという面では、良い刺激になったと思う。夏、誰が出るかは”ガラガラポン”。また1からチームを作り、夏に向かって行きたい」と、チームの改革を示唆した。苦い春をへて、夏へと向かっていく。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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