プロ初対戦の相手は柳田悠岐… ロッテの191センチ「土居魔神」が9球で得た“収穫”

吉井コーチからは「土居魔神」と命名

 191センチの長身から投げる角度のあるストレート。フォークで空振りを奪う投球スタイル……。吉井理人1軍投手コーチには「土居魔神」と命名された。“本家”佐々木主浩氏の投球は動画で研究。「真っすぐ、フォークがメインで…やっぱりフォークが凄いですね……」。同じ2球種に、まざまざと自らとの差を感じる。

 プロ入り後の2年間は2軍暮らし。昨秋のフェニックス・リーグで兆しが見えた。吉井コーチからのアドバイスで、フォークを改良。「変な抜け方が少なくなって、落差も出るようになりました。自分の場合はちょっと動くのでそれもいいかなと思います」。手応えは今春のキャンプでさらに増し、初の開幕1軍につながった。

 成長曲線をさらに急角度にすべく、探究を怠らない。昨年9月からは、野球指導のサロンにも通いだした。瞬発力や爆発力に重きを置いた筋力トレーニングで、球速のアベレージが上昇。今季開幕から登板した3試合での平均は147.4キロ。まだファウルで粘られることも多いが、バットに空を切らせる直球にまで成長させたい。佐々木氏がフォークで三振を量産したのも、強いストレートがあったからこそ。21歳の右腕も、自らが秘めた伸びしろを見つめる。

 チームでは、1軍でアピールを続ける藤原恭大や、山口航輝らと同学年。「自分も頑張らないといけない」と闘志を燃やす。念願の1軍デビューを果たし、次は1年間1軍で投げることが目標。「チームから信頼されて、大事なところで投げられるように」。自慢の直球とフォークで、“幕張の大魔神”に成り上がってみせる。

○土居豪人(どい・ひでと)2000年4月2日生まれ、愛媛県宇和島市出身。21歳。中学時は宇和島シニアに所属。松山聖陵高では3年春に選抜出場。3年夏は県大会初戦で新田高に敗れる。2018年のドラフトでロッテから8位指名を受け入団。191センチ、92キロ。右投げ右打ち。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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