敵将も脱帽「あれは打てない」 巨人大江から受け継いだ二松学舎大付“エースの姿勢”

駒大高に登板した二松学舎・秋山正雲【写真:川村虎大】
駒大高に登板した二松学舎・秋山正雲【写真:川村虎大】

春季東京大会2回戦で1失点完投、バットでも決勝の犠飛

 高校野球の春季東京都大会2回戦が6日に行われ、江戸川区球場では二松学舎大付が駒大高と対戦した。エースの秋山正雲投手が1失点の完投。バットでも犠牲フライで決勝点を挙げ、6-1で勝利した。

「変化球の調子は悪かったが、悪いなりに投げ切ることができた」

 秋山はこう試合を振り返った。3回に味方のエラーで同点に追いつかれたが、直後の4回に自らの犠飛で勝ち越した。伸びのあるストレートは9回になっても威力十分。最後の打者を三振で締め、自責点0で終えた。「冬場は変化球を中心に練習していました。スライダーはあまり良くなかったが、チェンジアップを多く投げるなど工夫しました」と自信をのぞかせた。

 1学年上には、ドラフト5位で巨人に入団した秋広優人がいる。高校時代に投手としても活躍した秋広からは、一緒に練習しながら学び取ってきた。「秋広さんは長身からのストレートが低めにズバッと決まる。自分は身長はないが、低めにしっかり決めることは意識している」。高校時代の先輩の姿を思い出しながら、今に生かす。

 憧れは、二松学舎大付OBで現巨人の大江竜聖。大江を育てた市原監督からは、エースとしての姿勢を教わったという。「マウンドでの気持ちと姿勢です。大江さんは強い気持ちや野球に対する姿勢が素晴らしかった。その姿勢や気持ちの強さを学んで欲しいと市原監督からは言われています。普段の生活から意識していることです」。気持ちは球に乗っかる。打者の内角を抉るストレートには、「あれは打てないです」と駒澤・川端監督も舌を巻いた。

 エースの姿勢は、グラウンド外でも。試合後、質問に丁寧に答え、挨拶は欠かさない。春に準備を整え、勝負の夏へ。3年ぶりの甲子園に向け、秋山がチームを引っ張る。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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