2戦連続QSで進化を示す菊池雄星 先輩・岩隈氏から授かった“立ち姿”の深い意味

菊池が目指す理想形「真っ直ぐ立つのはすごく難しい」

 最速97マイル(約156キロ)の速球とカッターを軸にリズムを作り、そこにスライダーとスプリットを織り交ぜてサービス監督が求めた「6回95球」を見事にクリアした。2日(同3日)のジャイアンツ戦で約75%を記録したストライク率は、今登板では約62%へと下がったものの、この差を不利なカウントからの粘投でカバーできたことは大きな収穫だった。

 秀逸だったのは前回より3人増えた5人の打者への“3ボール”からの投球。2つの四球を与えたものの、あとの3人は2奪三振と内野ゴロ併殺で切り抜け、絶対的不利なカウントからの失点を防いだ。3回に通算470本塁打の大砲ネルソン・クルーズに同点2ランを許したが、4回の併殺から最後は8者連続アウトに封じた。防御率をメジャー1年目の2019年5月25日以来となる3点台とし、約2年ぶりに2試合連続のクオリティスタートを記録した。

 昨季は、球速を上げる目的で左肘が高く上がる力感あふれるフォームに改造して臨んだが、今季は上げた右足を一度止めてから右足首で蹴る反動を使い上体のブレを抑えたフォームに修正。その一連の投球動作で注視すべき点の一つが、背筋を伸ばした“立ち姿”にある。これには菊池が追い求めた理想形への一端が映っている。

「真っ直ぐ立つのはすごく難しいんです。形はそう見えていても足の裏がどうなっているか、どこに重心があるかは映像じゃ見えない部分もあるので。そういう細かい部分も含めて、オフシーズンでやってきました」

“立ち姿”の重要性を深く知ったのは岩隈久志氏からの言葉

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