大谷翔平なら日本人初トリプルスリーも? データに裏打ちされる打撃の進化
今季は好球必打で打球速度&角度アップ…このペースなら54本塁打、144打点ペース
エンゼルスの大谷翔平投手がメジャー4年目の二刀流復活へ開幕ダッシュを決めた。ここまで打者としては全9試合出場。主に2番打者として打率.294、3本塁打、8打点、OPS1.039を叩き出している。大リーグ公式のデータサイト「ベースボール・サバント」で昨季までの違いを紐解いた。【小谷真弥】
まずは米メディアでも度々指摘される打球速度だ。4日ホワイトソックス戦の特大2号ソロでメジャー自己最速の打球速度115.2マイル(約185.4キロ)を記録。105マイル(約169.0キロ)以上の打球を8本(36打席)でマークし、昨季の15本(175打席)から急増。打球速度95マイル(約152.9キロ)を超えるハートヒット率は52.2%。これは2018年50.4%、2019年47.1%、2020年42.7%を超える。打球速度を競う競技ではないとはいえ、打球が速ければ速いだけ野手の間を抜ける可能性が高まる。これだけ見ても安打数の上積みは期待できる。
メジャー1年目の2018年以降の打球角度は12.3度、6.8度、9.2度。2019年中から大谷自身は「角度がつけばもっと良かった」などと打球が上がらないことを嘆いていたが、今季はここまで打球角度16.2度を記録。今季の打球23本のうち7本が「バレルゾーン」(長打の出やすい打球速度と角度の組み合わせ)を通過。バレルゾーン率30.4%はリーグ1%以内の優れた数字だ。
よくボールも見えている。ストライクゾーンスイング率84.2%、初球スイング率44.4%は、ここまでキャリア最高。大谷は自身の打撃の信条について「ストライクを振ってボール球を見逃す」と明かしていたが、今季はストライクゾーンに来た球を初球から積極的に振れていることが伝わってくる。
これだけ見ても昨季までからの“進化”は明らかだ。ここまで打者として全試合出場中。仮にこのペースで打ち続ければ、54本塁打、144打点、36盗塁となる。日本人初のトリプルスリー、2001年イチロー以来MVP受賞だって期待したくなる活躍ぶりだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)