田中将大、8年ぶり復帰マウンドの注目点は? データが示すメジャー7年間での“変化”

楽天・田中将大【写真:PLM】
楽天・田中将大【写真:PLM】

メジャーでも指折りを証明した「制球力」

 楽天・田中将大投手が、いよいよ17日に公式戦のマウンドに上がる。国内での公式戦では、2013年11月3日の巨人との日本シリーズ第7戦以来、2722日ぶりの登板。日本球界復帰が決まってから一挙一動に注目を集めてきた背番号18のピッチングは、2013年にシーズン24勝無敗と神懸かり、球団創設初の日本一を手繰り寄せた当時から、どのように移り変わっているだろうか。メジャーでの7年間で蓄積されたデータから、投球スタイルの変遷とともに、田中将の強みを3つ浮き彫りにする(※トラッキングデータは「Baseball Savant」参照)。

田中将大の年度別指標【表:PLM】
田中将大の年度別指標【表:PLM】

 ヤンキースに入団した2014年から昨季まで、メジャー通算78勝を挙げた田中将の投球内容を振り返ると、特筆すべきは「制球力」の高さだ。計173先発のうち57試合が無四球で、4四球以上を与えたのはわずか5試合だけ。通算与四球率1.78は、9回平均で四球を2つ与えなかったことを示し、7年間で1000投球回に達した投手32人の3位に位置する。

 通常、強打者揃いのメジャーに活躍の場を移した日本人投手は、三振を奪うペースはある程度維持しながら、四球を与える割合が増す傾向にある。だが、田中将は日米での通算奪三振率(8.47/8.46)とともに、与四球率(1.88/1.78)でもほぼ変わりがない。

 ただし、渡米前後で防御率(2.30/3.74)の開きは小さくない。これは被本塁打率(0.45/1.36)の上昇が大きく響いた結果と考えられる。田中将が海を渡る前の数年間は飛距離が出にくい統一球導入の影響もあり、被弾は多くなかった。それが、ヤンキースでの7年間は楽天での3倍以上まで上昇している。

 メジャーでは、打者のパワーはもとより、田中将が海を渡った2014年はリーグ全体が過渡期を迎えていた。2010年台前半は「投高」に傾いていたが、2015年からは本塁打の飛躍的な増加に伴い、投手全体の防御率も上昇傾向。ホームランが出やすいヤンキー・スタジアムを本拠地とした田中将は、2017年にリーグワースト3位の35本塁打を浴びるなど、「打高」に転じる流れの憂き目に遭った。

 日本人投手が必ずと言っていいほど直面する“メジャーの洗礼”。田中将の制球力をもってしても、そこは避けて通れなかったが、逆を言えば日本球界復帰により一発の脅威は薄れる可能性が高い。今年のオープン戦では3登板で3四球しか与えず、被弾も1本のみ。開幕直前に判明した右足の負傷は気掛かりだが、万全なら日米で冴えた制球が大きく乱れるとは考えられにくい。安定してゲームメイクする能力は、最も再現性が期待できそうだ。

縦に変化する「二枚刃」の切れ味

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