1試合5盗塁献上は「屈辱的だった」 ロッテ6年目・柿沼が目指す正捕手の座
1試合5盗塁を許した「キャッチャーとしては屈辱的だった」
柿沼の送球を見て、西武は何度も盗塁を仕掛けてきた。7回には二盗を試みる山野辺を刺しに行った送球が高く浮き、藤岡のグラブを弾いてボールはセンターへ。三塁への進塁を許してしまった。
「(二木には)『ごめん』って伝えました。そのあと粘って投げてくれたので、失点には繋がらなかったですけど……。そこで助けられなくて申し訳ないという思いは伝えました」
そのピンチも何とか凌ぎ、先発・二木康太投手は7回1失点と踏ん張ったが、小野郁投手に代わった8回に先頭の若林に出塁を許すと、この日2回目の二盗を決められ、それをきっかけに5点を奪われ逆転を許した。9回こそ金子侑司外野手の盗塁を刺したが、この試合で6つの盗塁を企画され、5つの盗塁を許した。
「1番キャッチャーとして目に見える、(投手を)助けられる部分だと思うので、申し訳なさを感じました。1試合5つ走られるというのは、キャッチャーとして屈辱的だった。でもそこは自信を持ってやっていることなので、なんとかそこを取り戻してやっていきたいとは思っています」
しかし、長いシーズンの中で、いつまでもミスを引きずってはいられない。メンタルの切り替えの難しさは、昨年1年間1軍にいた経験から、よく分かっている。
「キャッチャーとして1番試合に出たいです。そのためには打つ方でも、2割5分くらいは打たないと出続けるのは難しいと思いますし、そういう数字を求めたい」
大学時代には右肘のトミー・ジョン手術も経験。周囲から学生コーチになることも進められたが、大好きな野球を続けたいという思いが勝った。育成2位でロッテから指名を受け、がむしゃらにプレーを続け、1年間1軍に居続けられるところまで這い上がってきた。次は正捕手の座を掴むため、信頼を勝ち取っていく。
◆柿沼友哉(かきぬま・ともや)1993年5月12日、茨城県つくば市出身。27歳。小学校では松代ブルーサンダース、中学ではつくばシニアでプレー。誠恵高校から日本大学国際関係学部に進み、2015年育成ドラフト2位でロッテから指名を受け入団。1年目の7月29日に支配下選手登録された。180センチ、82キロ。右投げ右打ち。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)