「月に1回、注射を打っていた」巨人エース候補だった20歳、手術を決断した背景と今

巨人・直江大輔【写真提供:読売巨人軍】
巨人・直江大輔【写真提供:読売巨人軍】

巨人の未来を担える男の本心「昨年以上のものを出せる」

 今春の宮崎キャンプはリハビリ期間となった。球団のトレーナーから体の使い方を学んだ。

「腰への負担がかかっていたところについて振り返る時間になりましたし、今もそういうこと(復習と反省)ができています。昨年より、体が良くなっている気がします。リハビリは昨年よりも成長というか、良くなった状態で登板できることを目指していました」

 昨年の最速は148キロだったが、すでに最初の復帰登板で147キロまで計測。まだまだ球のスピードが乗ってきそうな手応えもある。

 インタビューの最後の言葉を聞いて、安心した。20歳ながら強い志を持っている直江ならば、巨人の未来を担える男になれるのではないだろうか。

「いろいろと考え方があるんと思うのですが、僕は自分に起きたことは、良いことでも、悪いことでも、全て前向きにとらえています。マイナスの部分もあるんですけど、これはプラスに捉えるべき点はどこにあるのだろう、と。今回もそういう風にやっています」

 見方を変えれば、ピンチはチャンス。下り坂も振り返れば、上り坂にも見える。プロ初勝利目前、4回2/3で降板した広島戦の一戦も悔しかったが、プラスに変えている自分がいる。

「昨年は1軍で投げさせていただきました。あの(広島との)試合もそうですが、勝てる試合があったのに、そこで勝てなかったというのは、何かが足りない。じゃあ、そこで先発投手として勝つためには何が必要なのか、考えています。腰だって痛みを持ちながら、あそこまで投げられたのだから、万全になったら、昨年以上のものが出せるんじゃないかという気持ちです」

 背番号の054が示す通り、現在は育成契約選手。支配下登録は時間の問題だろう。東京ドームの光に照らされて、初勝利の笑顔を見せることが、直江にとっての「復活」となる。

○直江大輔(なおえ・だいすけ)2000年6月20日生まれ。20歳。中学では長野・中野シニアに所属。松商学園(長野)では1年秋からベンチ入りし、2年夏には甲子園出場。2018年ドラフト3位で巨人に入団。昨シーズンは3登板して0勝0敗、防御率3.00。184センチ、82キロ。右投右打。好きな投手は「父と同世代ですごい方と聞いていた」という桑田真澄(巨人投手チーフコーチ補佐)。

【動画】ヘルニア手術からの復帰目指す巨人・直江 復活を感じさせるブルペン映像

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