大谷翔平、自己最悪制球&史上初の珍記録からの“収穫”「次は改善できるように」

レンジャーズ戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:AP】
レンジャーズ戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

4回以下の投球で7奪三振6四球以上は史上初の珍記録

■エンゼルス 6ー2 レンジャーズ(日本時間21日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手は20日(日本時間21日)、本拠地・レンジャーズ戦で先発登板したが、今季初勝利はならなかった。4回で7四死球を与えながらも、7奪三振1安打無失点。右手中指マメの影響で投打同時出場した4日(同5日)以来16日ぶりの登板で、3年ぶりの勝ち星はお預けとなった。【小谷真弥】

 何度も首を傾げた。4回80球を投げ終えた大谷の表情は険しいままだった。「指のかかり的にも今イチよくなかった。(制球面の採点は)ゼロ点ですね。自分でピンチを招いて、自分で抑えてっていうだけの感じだったので。自分でピンチを作るのは、いらないこと。なるべく減らした方が失点のリスクも低いかなと思います」。結果的には4回ゼロ行進だったが、反省の言葉を繰り返した。

 まさに“怪投”だった。初回1死から3者連続四球で1死満塁のピンチを招いたが、ソラック、カルフーンをスプリットで2者連続空振り三振。2、3回も四球で走者を背負ったものの、得点を許さなかった。1点先制した4回も2者連続四死球で2死一、二塁としたものの、カイナーファレファをスプリットで空振り三振に仕留めた。

「スプリットしか良くないなという感じだった。全体的にストレスが溜まってしまうようなリズムで投げていたので。次回はしっかりと改善できるようにしたい」。6四球、ストライク率46.3%(80球でストライク37球)は自己ワースト。球団によると、4イニング以下の投球で7奪三振6四球以上を記録しながら無失点に抑えたのは史上初の珍記録だという。

 今季初登板の4日に渡米後最速101.1マイル(約162.7キロ)を計測したフォーシームは97.7マイル(約157.2キロ)止まり。右手中指マメの再発を避けるべく、立ち上がりから抑え気味に入った。「(マメは)試合の中で投げないと良くならない。もちろん最初から100%でいくという感じではなかった」。ピンチで粘って投球予定数(80球)を投げきったことは今後へつながるはずだ。

 3シーズンで投打で複数回先発したのは1901年ボストン・ブレーブスのジョニー・クーニー(1923~26、28、29年の計6シーズン)以来120年ぶりの快記録だ。2018年5月20日の本拠地・レイズ戦以来1066日ぶりの勝ち星には届かなかったが、次こそは……。「今日はちょっと特別だったので。試合の中で投げる強度と、そうではないのは全然違う。そういう意味では試合の中の強度で70、80球をこなせたのは良かったところ。次につながるところじゃないかなと思います。次、また全力で出来るんじゃないかなと思います」と大谷。大荒れでも高いポテンシャルを感じさせる80球となった。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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