なぜ鷹・今宮は定期的に欠場するのか? 「休ませる」ためじゃない“本当の理由”
フルシーズン戦い抜くための判断「怪我で離脱というのは絶対に避けたい」
近年、故障を繰り返してきた今宮。故障箇所を治すリハビリなどを行ってきた一方で、十分な肉体強化のためのトレーニングを詰めていなかった。そのため筋力には物足りなさがあるというのだ。その状態で1年間、試合に出続け、プレーを続ければ、故障のリスクは限りなく大きくなる。試合後にトレーニングを積むことも可能だが、遊撃手はただでさえ負担が大きいポジション。精神的な疲労なども考えれば、それはなかなか難しい。
そこで考えられたのが試合に出つつ、鍛えるための時間を確保するという手法だった。もちろん疲労を考慮している部分もあるが、その一方で、計画に沿ってスタメンからは外し、ベンチスタートの日はトレーナー付き添いの下で肉体を強化するために時間を費やすという方法がとられているのだという。
工藤監督ら首脳陣の今宮に寄せる信頼は絶大だ。「今宮くんは絶対に必要な選手。怪我で離脱というのは絶対に避けたい。今年はとにかく1軍でプレーをし続ける、ということ」と指揮官が語るように、3年間成し遂げられなかった1軍でフルシーズン戦い抜くことをチーム全体として目指しているのだ。
「今宮という人間は内野の中心。リーダーシップを発揮してもらう選手になってもらわないといけない。そのためには我慢するところは我慢する。出続けると怪我の恐れもあるので、我慢してトレーニングというのをやっています」と工藤監督。今宮の超人的なプレーを毎試合見ることができないのはファンとしても残念だが、欠場の裏で、先を見据えた取り組みが行われている。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)