逆転許すも仲間の“再逆転”に「命かけて抑える」 日大三エース左腕の熱投135球

日大三・宇山翼【写真:川村虎大】
日大三・宇山翼【写真:川村虎大】

交わすピッチングに…敵将も成長を認めた

 高校野球の春季東京都大会は24日、ダイワハウススタジアム八王子で準決勝2試合が行われた。日大三は、1点ビハインドの9回に二松学舎大付を逆転し、5-4で勝利。エース・宇山翼投手(3年)が4失点ながら粘りの完投で、プロも注目する二松学舎大付の秋山正雲投手(3年)との左腕エース対決を制した。

 全てがうまくいったわけではない。宇山は7回まで二松学舎大付打線を3安打に抑えていたが、3点リードの8回に捕まった。2点を失い、なおも1死満塁で4番・関の打球は二塁へ。併殺で3アウトかと思われたが、打球はイレギュラーして中前に転がった。二塁走者も帰還し、一気に逆転を許した。

 だが、日大三は諦めていなかった。9回1死二塁から4番・山岡航太内野手(3年)が起死回生の同点打を中前に放ち、試合を振り出しに戻す。代打・林夢人内野手(3年)は三振に倒れたが、2死一塁で、鎌田慎也内野手(3年)が放った打球は左翼線へ。適時二塁打となり、再びリードをもたらした。

「ひっくり返すと信じていた。最後の回は命をかけて抑える」と、9回のマウンドに上がった宇山。2者連続で見逃し三振を奪い、最後は二ゴロに仕留めて安堵の表情を浮かべた。135球の熱投で、最後までマウンドを譲らなかった。小倉全由監督も「あそこまでいったら宇山で行くしかないだろうと。投げ切ってくれたのは計算になる」と、力投を誉めた。

 昨秋の雪辱を誓い、初球から打ちに来た二松学舎大付を逆手に取った。「打ちに来たところをうまく交わすことができた」と宇山。速球と変化球を組み合わせ、8つの三振を奪った。二松学舎大付の市原勝人監督も「昨秋とはまた違ったピッチングで、上手くかわされた。成長している」と力を認めた。

 政府の緊急事態宣言で決勝の延期が決まったが「休めていい」と小倉監督。まずは来月15日からの関東大会だ。「関東の強豪と戦って、自分たちがどのくらい通用するのか確かめたい」と意気込む宇山の力投が、夏への扉を切り開く。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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