静岡192センチ大型右腕が目指す夏の聖地 プロ注目の天理達を「意識して見ていた」
自己最速142キロには届かなかったものの、見せた完成度の高さ
唯一のピンチは、両チーム無得点で迎えた4回だった。先頭の松浦蒼に、この試合初めての出塁となる内野安打を許し、続く榛葉太輝に犠打を決められた。
「セットポジションになってからの投球が安定しなかったですね。四球の数にはこだわっているので、あの場面は大きな反省です。修正しないといけない」
1死二塁のピンチを高須が振り返る。3番の星にストレートの四球。4番の平尾優成の打席でダブルスチールを仕掛けた掛川東の三塁走者を捕手の川端慶が刺したものの、高須は平尾にも四球を与えた。続く見目大弥には適時打を許し、先制を許した。
それでも、最少失点でなんとか凌ぐと、味方が5回に逆転。援護をもらった直後の6回、高須は1番から始まる掛川東打線に隙を見せなかった。早いカウントではストレートを狙われていると感じ、捕手の川端とスライダーや110キロ台前半のカーブで投球を組み立てた。わずか10球で3者凡退に封じ、試合の流れを手繰り寄せた。
その後、打線の強力援護を受けた高須は4回以外は1人の走者も出さず、7回2安打1失点で完投した。自信のあるストレート以外でも打ち取る投球の幅、勝負を左右する大切なイニングの投球……。ストレートは自己最速の142キロには届かなかったが、投手としての完成度の高さを見せた。