充実先発陣のオリックスが“台風の目”に 前指揮官が語る優勝への課題とは

ロッテ・オリックスで監督を務めた西村徳文氏【写真:荒川祐史】
ロッテ・オリックスで監督を務めた西村徳文氏【写真:荒川祐史】

ポイントは外国人の起用法とリーグワースト失策数の守備力向上

 メジャー通算1939安打、282本塁打を誇るアダム・ジョーンズ外野手が昨季加入したが、故障もあって期待外れの成績に終わった。35歳で迎えた今季も打率.213(61打数13安打)、1本塁打と数字はなかなか上がらない。「年齢的なものもあるし、そこまで期待するべきではないと思います。ただ、実績を備えた選手なので、ベンチも当然気を遣わなければいけない。機能しないのに外せないという事態はチームにとっていいことではありません。代打だと結果を出しているようですが、求められているのはそこではありませんからね」。

 戦線離脱していたスティーブン・モヤ外野手が復帰し、ステフェン・ロメロ外野手も隔離期間を経て近く1軍に合流予定。「守備に不安があるジョーンズは使うならDHということになりますが、特定の選手を使い続けるわけにはいかない。チームには1年間通して働いてもらいたい選手がいて、DHでの起用も交えながら負担を軽減させる必要があります。外国人選手の起用法も重要になるでしょう」と語る。

 更に「これから上位に食い込んでいくためには、しっかりやっていかなければいけない」というのが守備だ。チーム失策数「18」はリーグワーストだが、西村氏によると問題なのは数だけではないという。「失策が記録されて、それで負けるのは当然痛いですが、目に見えないミス、記録に残らないミスもなくす必要があります。併殺を取れる場面で送球が乱れて走者を残すなど、取れるアウトを取れないプレーも見られます。そういったプレーから、ピッチャーがリズムを崩すこともある。先発陣が頑張っているからこそ重要になると思います」

 5位までが4ゲーム差にひしめくパ・リーグ。「先発投手の名前を挙げる時、4人目ぐらいまで容易に出てくるのが楽天、それからオリックス」と前指揮官が評価する投手力を武器に、今季のペナントレースを最後まで面白くしてくれそうだ。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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