12球団唯一“1桁本塁打”…なぜ中日で大砲育たない? 続々と中距離打者になる現実

中日・高橋周平【写真:荒川祐史】
中日・高橋周平【写真:荒川祐史】

高橋周平も平田良介も中距離打者として台頭、未来の“候補”は?

 その高橋周は、高校通算71発の肩書きをひっさげ、3球団競合の末に入団した“未来の大砲候補”だった。ルーキーイヤーの2012年にはウエスタン・リーグトップタイの7本塁打も放った。ただその後はレギュラー定着に届かない日々が続き、初めて規定打席に到達したのがプロ7年目の2018年。いまや打線に欠かせない存在だが、一発で決めるというよりは、チャンスメーカーの色合いが濃くなった。

 今年で33歳を迎えた平田良介も入団当初は大砲候補として期待されたひとりだったが、中距離打者として頭角を現した。シーズン自己最多は2013年の15本塁打。さらに近年は故障でシーズンを全うできないケースも。昨季は55試合出場で3本塁打。今季はここまで21試合に出場するも打率.155と苦しんでいる。

 大砲は助っ人任せでいいのか、和製も育成すべきか――。将来の候補としては、高卒5年目の石垣雅海や、2年目を迎えたドラフト1位の石川昂弥らの名前があがる。石垣は2月のキャンプから期待されていたが、結果が残せずに2軍行き。ウエスタン・リーグでは25日時点で2本塁打を放っている。石川昂は故障での出遅れもあって、2軍戦ではまだ5試合出場。ともに覚醒の時を待つ段階だ。

 セ・リーグの他球団を見てみると、巨人には岡本、阪神には大山や佐藤輝、広島には鈴木、DeNAには佐野、ヤクルトには村上や山田……。すぐに名前が出てくる和製大砲がいる。たとえチームの順位に直結しなかったとしても、ファンに夢を与えるアーチスト。バンテリンドームに放物線を描く日本人選手が出てくれば、また違った戦いが見せられるに違いない。

(Full-Count編集部)

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