目が腫れても通算57号 千葉学芸初の春4強に導いたプロ注目・有薗「新たな歴史作る」

千葉学芸・有薗直輝【写真:川村虎大】
千葉学芸・有薗直輝【写真:川村虎大】

市柏との2回戦で腕に受けた死球が跳ね返って左目に当たったという

 高校野球の千葉県春季大会準々決勝がゼットエーボールパークなどで行われ、千葉学芸が中央学院に8-1で勝ち、初の4強進出を果たした。プロ注目の右のスラッガー、有薗直輝内野手(3年)が「3番・三塁」で出場し、高校通算57号を含む2安打2打点と活躍した。4強が出揃い、3日の準決勝では成田-千葉学芸、専大松戸-県船橋が激突。4日の決勝に進む2校が関東大会(5月15-23日、山梨県)の出場権を得る。

 有薗は4月25日に行われた市柏との2回戦で、腕に受けた死球が跳ね返って左目に当たり途中交代。目は現在も腫れているが、高倉伸介監督に直訴して出場を続ける。「本人がどうしても出たいと言うから意思を尊重しました。有薗は大黒柱。元気な姿で出ることでチームの勢いがつく」と説明する。

 その気概を有薗はバットで示した。1点リードの3回1死一塁で迎えた第2打席で左越え2ラン。9回にも左翼へ鋭い安打を放った。「まだ見にくいですが、自分のスイングができました」。高倉監督も「結果は求めないといっていましたが、彼ならやるかと感じていました。さすがです」と絶賛した。

 有薗には負けたくない相手がいる。マリーンズジュニアで一緒にプレーした、埼玉・昌平の吉野創士外野手(3年)だ。「小学校時代は吉野の方が上だった。本塁打では負けたくないと思っています」。高校通算本塁打数は吉野は47本で、有薗が上回る。「通算65本を目指しています」とさらなる量産を誓う。

 千葉学芸の春4強は初。「学校の歴史を変えることができてよかった。チームの目標は千葉県制覇。そのためにも自分が出て新たな歴史を作りたい」と力を込めた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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