快勝の専大松戸 逆転の口火を切ったのは昨秋“安全パイ”と言われた男

専大松戸・加藤大悟【写真:川村虎大】
専大松戸・加藤大悟【写真:川村虎大】

選抜大会ではプロ注目の中京大中京・畔柳から2安打

 高校野球の千葉県春季大会準々決勝が1日、ゼットエーボールパークなどで行われ、今年の選抜高校野球大会に出場した専修大松戸は17安打3本塁打の猛攻で、習志野に13-2で6回コールド勝ちした。「7番・捕手」で出場した加藤大悟捕手(2年)が2回に逆転2ランを放つなど2安打2打点の活躍を見せた。4強が出そろい、3日の準決勝では成田-千葉学芸、専大松戸-県船橋が激突。4日の決勝に進出する2校が関東大会(5月15-23日、山梨県)の出場権を得る。

 昨年秋、加藤は打撃で結果を残せず、悔しさを感じていたという。「秋ではチャンスを自分が潰してしまうことが多く、全く結果を残せませんでした」。千葉県秋季大会と関東秋季大会で計8安打を放つも打点は1。選抜の晴れ舞台も先輩に連れていってもらった意識が強かった。

「(昨秋の県大会で)相手ベンチから『加藤は安全パイ』って言われていた。無観客だから声が響いてさ。なかなか結果を残せなかったけど、今は自信持って打席に立っている。真面目な子だから吸収は早い」と持丸修一監督も成長を口にする。冬場はウエートと振り込みを重視し、スイングスピードアップに取り組んだ。選抜では1回戦で中京大中京に0-2で敗れたが、加藤はプロ注目右腕・畔柳亨丞投手(3年)から三塁打を含む2安打と気を吐いた。

 今大会は3回戦まで2試合で7打数無安打。4月30日の流経大柏戦では3三振を喫し、基本に立ち返った。「打ちたい気持ちが強すぎた。引きつけて打つことを意識しました」。先制された直後の2回、1死一塁で迎えた第1打席で高めに浮いたカーブを引きつけて左翼スタンドに運んだ。逆転の公式1号弾は、6回コールドの圧勝劇を呼んだ。4回にも遊撃強襲安打を放って2安打。修正してすぐに結果を残せたのも成長の証だろう。

「甲子園は意外と広く感じなかった。先輩たちの涙を見て、またあの場に戻りたいと思いました」と夏への思いを語った。春のリベンジを果たすべく、“安全パイ”と言われた男が攻守でチームを引っ張る。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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