ロッテ唐川侑己はなぜ抑えられるのか? 140キロ前後でも打たれない理由

ロッテ・唐川侑己の通算成績【画像:パーソル パ・リーグTV】
ロッテ・唐川侑己の通算成績【画像:パーソル パ・リーグTV】

ストレートと同じ球速帯で変化するカットボールが投球の軸に

 まず、唐川がこれまでのキャリアにおいて残してきた、各種の成績について見ていこう。

 2010年から2012年、そして2016年と、先発として防御率2点台を記録したシーズンが4度あり、先発投手としても高いポテンシャルを有していたことが分かる。当時は球速こそ140キロ前後ながら、独特の軌道や切れを持ち合わせるストレートを軸に、速球と同じような速度で鋭く変化するカットボール、緩急をつけるカーブやチェンジアップを交え、打者を打ち取っていくスタイルを持ち味としていた。

 しかし、相次ぐケガが登板機会のみならず、生命線だったストレートの威力を奪っていくことに。故障の影響で球速がさらに低下したことで、ストレートとの微妙な違いで打者を幻惑する効果を生んでいたカットボールや、軸となる2球種との球速差ありきだったカーブやチェンジアップといった変化球の効果も減少し、打ち込まれるケースも増加していった。

 球威が復活した2016年には復活の兆しを感じさせたが、2017年、2018年と2年続けて先発としては結果を残せず。しかし、先述したリリーフ転向によって速球とカットボールがコンスタントに140キロを記録するようになった。新たな持ち場に適応し、再び投手陣の中心的存在の1人となりつつある。

奪三振率は低く打たせて取る投球が唐川のスタイル

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