「厳しい場面を経験しないと育たない」若手育成と勝利を目指す西武・辻監督の指針
5回無失点のダーモディから宮川への継投も裏目に出た
継投もしかり。0-0で迎えた6回の守備。この日が来日初登板・初先発で、5回まで89球5安打3四球無失点に封じていたマット・ダーモディ投手を諦め、2年目・25歳の宮川哲投手につないだ。宮川は先頭の中川、続くジョーンズに連打された挙句、頓宮に右翼席へ痛恨の3ランを浴びた。
「なんかねぇ……もう1つ自信がないのかな。あいつらしくない。普段はもっときっぷのいいやつなんだけど、勢いを感じなかった」と首をひねった辻監督。「これも試練。こういう場面で抑えてこそ、次のステージがある。乗り越えていかないと」と奮起を促した。
ダーモディはメジャーで通算29試合に登板しているが、全てリリーフ。来日1年目の今季、いきなりコロナ禍で来日が遅れ、ファームで2度先発したが、6回87球が最多だった。ここが潮時と見たのも無理はなかった。
この日、隣接するカーミニークフィールドで行われたイースタン・楽天戦では、左脚を痛めて離脱中の山川穂高内野手が「4番・一塁」、腰痛を訴えていた木村文紀外野手も「3番・右翼」で出場し、そろって本塁打を放った。主力が徐々に復帰してくれば、育成と勝利の両方を求められている辻監督にのしかかる重圧も、少しは軽減されるはずだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)