手負いの西武“山賊打線”が山本由伸を攻略したワケ ベテランの献身と得意の足攻

山川、木村は1軍復帰へスタンバイ

 また、両リーグを通じて最多のチーム34盗塁をマークしている走力も、西武の強みである。5回には1死から、源田壮亮内野手が意表を突くバント安打で出塁。2死後、中村のカウント0-2からの3球目に二盗を決め、山本を揺さぶった。中村はすかさず、3-1から5球目のカットボールをとらえ、左前へこの日2本目の適時打。7回には1死から、途中出場の金子侑司外野手の右前打と源田の適時三塁打で加点し、とうとう山本をマウンドから引きずり下ろした。ベテランの勝負強さと得意の足攻が光った。

 2軍では、左脚を痛めて離脱中の山川と、腰を痛めていた右翼レギュラーの木村文紀外野手が、最近のイースタン戦3試合でともに2本塁打ずつ。1軍復帰へ向けてスタンバイしているが、辻監督は「そろそろ上げたいが、本当にちゃんと行けるかどうか、これから確認して決めます」と思いのほか慎重な姿勢を示した。

 チームトップタイの4本塁打を放っている愛斗外野手、二塁で好守備を連発する山田遥楓内野手ら、代役で出場している若手にも成長がうかがえる。これだけ主力を欠いていても、それなりの戦い方はある――。辻監督の態度からそんな自信が垣間見えた。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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