開幕5連敗も4月で完済 ロッテ井口監督が考える「4月に勝ち越せた2つの理由」

開幕5連敗スタートに「就任1年目の2018年だったら…」

 正直なところ、監督就任1年目の2018年であれば、開幕5連敗からチームはガタガタと崩れていたかもしれません。でも、この3年で選手は経験値を増やし、昨季も2度の大きな連敗から巻き返してリーグ2位となった自信がある。キャプテンの(中村)奨吾もしっかり引っ張ってくれているので、改めてチームとしての成長を感じる4月となりました。

 4月に勝ち越せた要因は、大きく2つあると思います。1つは上位打線を固定できたこと、そしてもう1つは先発投手たちの奮闘です。

 1番の荻野が調子が良く、ヒットだけではなく四球も選んで出塁し、足を生かしてくれる。続くマーティンは10本塁打でリーグトップ(5日終了現在)。奨吾は打撃が安定している上に、4番の安田に繋ぐ意識を持ちながら出塁し、それを安田がしっかり返す。安田は打率こそ苦労していますが、得点圏で迎える打席では非常に高い集中力を見せて走者を返してくれています。4月途中からは5番の角中(勝也)も調子を上げてきたので、あとは6番以降が少しずつでも良くなってくれれば。

 NPBでもMLBでも、勝てるチームは打線を固定できています。特に上位打線を固められると、6番以降をなんとか繋げば、また得点パターンが見えてくる。繋ぐという意味でも、6番以下を打つ若手選手にもうひと踏ん張りしてもらいたいところです。

 開幕スタメンで起用した藤原(恭大)は少しコンディションを落としたこともあり、ファームで再調整させることにしました。当然、結果を残さなければいけない選手ですが、試行錯誤も経験しなければならない。ファームで調子のいい選手が何人もいましたし、藤原は一度リセットして、いい形で戻ってきてほしいと送り出しました。

 現在、ファームはイースタン・リーグで19勝5敗2分と勝ち星を重ねています。積極的に若手を1軍で起用しているため、中堅の1軍経験者が多いことが要因ですが、この選手層の厚さは今季の強みでもあると思います。1軍とファームに線引きするのではなく、ファームも含めて1つのチーム。マリーンズの戦力として1年を通じてどうやってフルに使っていくか。若い選手をずっと1軍のベンチに置いておいても仕方がない。ファームで調子のいい選手たちと上手く入れ替えながら、チームとしてより高いパフォーマンスが出せる状態を整え、全員で優勝を目指す。勝利と育成のバランスはいつも頭を悩ませるところですが、この1か月は若い選手にいい形で経験を積ませてこれたのではないかと思います。

存在感を光らせた5年目右腕「真っ直ぐのキレが非常にいい」

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