球場に行けば必ず会えるから どんな試合でも“ごきげん”な「マスコット女子」の生態?

ヤクルト・つば九郎(左)と中日・ドアラ【写真:荒川祐史】
ヤクルト・つば九郎(左)と中日・ドアラ【写真:荒川祐史】

試合に負けても「今日もつば九郎が可愛かったから満足!」

 試合の内容、勝敗、さらには球団の垣根までも超えて野球を楽しんでいるのも、マスコット女子の大きな特徴の1つだ。

「時間とお金をかけて遠征しても、応援する球団が試合に負けたり、追いかけている選手が活躍できず、試合にも出れない日だってある。そんなときでも、『今日もつば九郎が可愛かったから満足!』という気持ちになれるのは得しているなって思える」(akina)

 彼女はヤクルトファンだが、他球団同士の試合にも積極的に足を運ぶ。

「母が好きなソフトバンク、関西球団の阪神やオリックスの試合にもよく行きます。つば九郎はもちろん、今ではソフトバンクのふうさん、中日のドアラも好き。交流戦でマスコット同士がワイワイと絡んでいるのを見るのも楽しみのひとつです」

 マスコットを通して野球を楽しむ彼女たちは、他球団に対して「敵」という感情ではなく「マスコット仲間」という意識が強い。

 そんなakinaが一番楽しみにしているのは、オールスターゲーム。

 12球団のマスコットが揃って目の前で絡み合っている様子を、球場で自分の目で見れることが、シーズンの中でも一番嬉しい瞬間なのだそうだ。

 マスコット女子に話を聞いて、野球を隅々まで楽しむ術を知っているのが彼女たちなのだと知った。

 オフシーズンも各球団のマスコットの動画を見返したり、マスコットディナーショーなどのイベントに幅広く参加するなどの充実ぶり。またakinaは、ファンクラブ会員限定のグッズのためにソフトバンクのファンクラブにも加入しているという。ふうさんのタオルが配布された試合では、試合が始まる前から「(結果に関わらず)今日は勝ちやわ」と大満足したそうだ。

「野球」を観るとき、ついつい試合や応援している選手の動きばかりに視点が偏りがちになるが、akinaがマスコット女子になったきっかけのように、「隙間」に視点を移すことで、これまでとは違う面白味が眠っていることに気付けるかもしれない。マスコット女子がそうであるように、視点を広く持つことが、きっといつでも「ごきげん」に野球観戦ができる秘訣だ。

◇NFB(日本やきう女子機構)
野球好きな「やきう女子」が集まるコミュニティ、日本やきう女子機構(通称、NFB)。slack上での様々なトピックを通じたメンバー同士の交流をしながら、メンバーによる観戦イベントの企画、野球観戦がもっと楽しくなる情報発信をする『NFBマガジン』『球場コーデ』の運営などを通して、野球観戦の楽しむコミュニティ。

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(Full-Count編集部)

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