最速123キロ“日本一の女子中学生”から3年 夢が現実となった甲子園への思い

第2回選抜大会準決勝のマウンドに立つ島野愛友利【写真:喜岡桜】
第2回選抜大会準決勝のマウンドに立つ島野愛友利【写真:喜岡桜】

憧れるのさえ恐れ多かった舞台、兄妹3人で甲子園出場へ

 難敵ひしめき合う中学野球で全国制覇を成したエースのプライドを胸に、女子高校野球界でも最も注目される投手として活躍を続けている。

 島野が現在在籍する神戸弘陵女子野球部は、創部3年目の2016年に初の全国制覇を達成し、春の選抜大会で2回、夏の選手権大会で1回優勝旗を持ち帰った全国屈指の強豪校。3月に埼玉県加須市で開催された女子の選抜大会では、島野は3番打者・エースとして出場。惜しくも準決勝で敗れ大会3連覇を逃した。その悔しさをバネに夏は5年ぶり2度目の日本一奪還を狙っている。

 夏の決勝へ進出すれば生まれて初めて甲子園の土を踏む。島野の兄2人は、大阪桐蔭と履正社のメンバーとして聖地でプレーしている。一番上の兄・凌多が出場した際は応援に行けたが、二番目の兄・圭太のときは都合が合わなかった。兄妹3人全員が甲子園に出場できるチャンスを、両親は大変喜んだという。

「甲子園は憧れではなく、すごいなあという感じ。甲子園は厳しい練習を乗り越えて、人に感動を与えられるプレーができる人が立つ場所。男子は憧れて目指すだけの練習量だけど、女子はそうじゃない。女子が甲子園に憧れるなんて恐れ多い」

 ボーイズ時代の同級生が甲子園で躍動することに対し羨ましさはなく、女子が甲子園に立てないことは島野の中では「当たり前」だった。今夏、決勝戦を甲子園で開催することを知り「男子に匹敵する感動を与えられるプレーをしなくてはならない」と、気が引き締まったという。

初の男女率いた甲子園出場監督となるか、ラッキートーナメント、選手権大会優勝へ

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