コロナ禍で野球は必要とされるのか… 1軍復帰を目指すDeNA今永昇太の自問自答

商売道具の左肩にメス、躊躇いはなかったわけではないが「退路を断って前に」

 自身が1軍で勝ち続ける姿を見据えながら、力強く復帰までの道のりを歩む左腕だが、そもそも大事な商売道具である左肩にメスを入れること自体に躊躇いはなかったのか。一般に肩は肘よりも術後の経過に注意が必要だとされる。クリーニング手術とはいえ、やはり「躊躇いはなかったわけではありません」と振り返る。

「確かにメスを入れるってネガティブに捉える部分ではありますよね。ただ、自分の判断の中ですごく良かったと思うのは、まだボールが投げられる状態で手術をしたこと。去年、1軍を抹消された直前の試合(8月15日ヤクルト戦)でも、もちろん内容は良くなかったけれど、球速は147、8キロは出ていました。おそらく、なんでこの状態で手術をするんだろうって思った人もいたかもしれない。でも、僕の中ではドクター、トレーナー、僕の3者の意見が一致した時には1日でも早く手術するべきだと思っていましたし、リハビリの過程を考えても肩がボロボロになる前に手術したことは、いい判断だったんじゃないかと思います」

 主治医から「さほど重くないクリーニング手術で、ほぼ100%が競技復帰している」と説明を受けた後、3人ほどにセカンドオピニオンを求めた。中には、手術をしなくても治療できるという意見もあったというが、それぞれのメリットとデメリットを検討し、「復帰時期を考えても、残りのプロ野球人生を考えても、早く手術してしっかりリハビリに時間を費やすのも1つの手」と決意。その背景には、自身の性格も大きく関わっているようだ。

「一進一退の肩の状態が続いている中で、手術をしてしまえば、しっかりとリハビリをして前に進むしかない。僕の性格上、気にしながら生活するより、退路を断って前に進むしかない状態にした方がいい。客観的に見ても、そういった人間なので、割と早めの決断でしたけど手術をしました」

改めて確認した野球を続ける価値「野球を見たいと思ってくれる方がいるのであれば」

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