なぜ捕手のサインに7度も首を振ったのか? 最下位DeNAを象徴する“チグハグ”

相棒の捕手も不動の存在がいない状況…44試合で5人を起用

 三浦監督は18日の試合後、大貫について「弱気な投球が見えた」と苦言。序盤から失点し、なかなかサインが決まらない大貫の様子がいかにも自信なさげで、逃げに回っているように見えたのではないだろうか――。

 相棒となる捕手も不動の存在がいない状況。今季は開幕から44試合で捕手を5人起用している。昨季120試合中71試合でスタメンマスクをかぶりレギュラーの座をつかみかけた戸柱恭孝は、今季29試合(先発20、途中出場9)に出場。今月17日に2軍落ちとなった理由を三浦監督は「再調整」と語り、ケガではない。嶺井は30試合(先発21、途中9)で、22歳の山本祐大が7試合(先発2、途中5)、プロ10年目の高城俊人が2試合(先発1、途中1)となっている。18日に登録されたばかりの伊藤光は、同日の中日戦の5回に代打で登場し、そのまま守備に就いた。

 大貫は昨季、開幕直後の2試合を除き19試合中17試合で戸柱とバッテリーを組み、チーム勝ち頭の10勝(6敗)を挙げ、防御率2.53をマークした。ところが今季は8試合1勝4敗、防御率6.75の不振。開幕から続いていた戸柱とのバッテリーも解消し、最近2試合は嶺井と組んでいる。慣れない捕手との間で、呼吸が合わない場面があったとしても無理はなかったかもしれない。「常勝球団には必ず名捕手あり」と言われるほど、重要な扇の要。押しも押されもせぬ正捕手を作ることができれば、チーム強化の近道となるのだろうが……。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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