“不文律破り弾”に苦言呈した名将が批判の的に「時代遅れ」「問題とは思わない」
ラルーサ監督は大量リードで野手から本塁打を放った選手を「間違いを犯した」と指摘
■Wソックス 16ー4 ツインズ(日本時間18日・ミネソタ)
大量ビハインドで登板した野手の投球を捉えて本塁打にした打者の“不文律破り”が波紋を広げている。17日(日本時間18日)のツインズ戦で、11点リードの9回にホワイトソックスのヤーミン・メルセデスが放った本塁打について、トニー・ラルーサ監督が苦言を呈したことに“反発”の声が多数あがっている。
メルセデスは9回2死、内野手登録ながらマウンドに上がったツインズのウィリアンズ・アストゥディーヨが3ボールから投じた47マイル(約76キロ)の山なりボールをフルスイング。打球はバックスクリーン横に着弾する本塁打となった。ラルーサ監督によると、メルセデスは“待て”のサインを見逃したといい「(あの場面で打たないのは)ゲームと相手に対する敬意だ。彼は間違いを犯した」などと語り、ツインズに謝罪したことを明かしていた。
米紙「ニューヨーク・ポスト」は「トニー・ラルーサのような時代遅れのメンタリティが、このスポーツが直面する問題の一部だと感じる人も少なくない。今回のことで、野球の不文律と戦うためにメルセデスを多くの人が支持している」と指摘。サンフランシスコ・ジャイアンツのアレックス・ウッド投手が、「野手がメジャーの試合で(投手として)投げている場合は、どんな『(特別な)ルール』も考慮されないと僕は思っている」とツイートしたことを紹介した。
さらに同紙は、ホワイトソックスの選手たちも「(ラルーサ監督に)同意していないのは明らか」として、ランス・リン投手がシカゴのラジオ局「670 The Score」に野手が投げていたとしても「(特別な)ルールはない」として「そのようなルールは、どんどんなくなってきている」と語ったと伝えた。これにラルーサ監督は「彼の意見に賛成しない」と反応したという。
チームの中心であるティム・アンダーソン内野手もSNSでメルセデスへのサポートを表明。自身のツイッターに「見なくていい、聞かなくていい……自分にチャレンジし続けろ」と投稿した。
また、ヤンキースのアーロン・ブーン監督も「問題だとは思わない。あの時は、野手が緩いボールを投げていた。(メルセデスに)動かず見逃してろというのか」と語ったという。
大量得点差が付いた試合で登板した野手が投げた3ボールからの球を打つべきか、打たざるべきか……。米野球殿堂入りを果たしている76歳の名将の言動が批判を浴びる形になっている。
(Full-Count編集部)