監督も「変わりましたね」と認める成長 立大・太田、主将の重責が変えたもの

右越え適時2塁打を放ちベンチの声援に応える立大・太田英毅【写真:荒川祐史】
右越え適時2塁打を放ちベンチの声援に応える立大・太田英毅【写真:荒川祐史】

明大との1回戦、1点を追う9回に逆転の2点二塁打を放つ

 負ければ優勝がなくなる大一番。9回表、2死一、二塁で太田に打席が回ってきた。「丸山に打たれて同じキャプテンとして負けてられない」。カウント1-2からの4球目を叩き、右翼手の頭上を超える逆転の2点二塁打。優勝への望みを繋いだ一打は「とにかくボールに食らいつく」気持ちで向かっていった主将の執念だった。

 試合後の取材は監督と指名選手1~2人。各大学の主将やエースは指名されやすいのだが、9試合目にして太田はこの春、初めて取材場所に姿を現した。「これまで勝負所で打てなくてみんなに我慢させていて、キャプテンとして1本出せていなかった。やっとチームの役に立ててほっとしました」と胸を撫で下ろした。

 主将を務めるのは少年野球以来で、本格的なまとめ役は実質初めて。「その場その場で自分の役割を果たしたい」と、数字に残らなくてもチームの勝利のためにできることを模索した春だった。溝口監督は「今までなら打率2割からそのまま下がって終わっていたと思うんですけど、今は何かやってくれそうな感じがあるんで、だからあそこでも代打を出そうと思わなかったですね」と太田への信頼度の高さを明かしつつも「キャプテンとしてはまだまだです。優勝したら100点ですけど、採点は保留します!」と愛されキャラの主将に更なる奮起を促した。

 大学進学後もリーグ開幕前には必ず母校の小坂将商監督に電話を入れ、帰省のたびに手土産を持ってグラウンドを訪ねる律儀な背番号10。今日が春のラストゲーム。勝利の先に、指揮官からの100点満点が見えてくる。

(市川いずみ / Izumi Ichikawa)

市川いずみ(いちかわ・いずみ) 京都府出身のフリーアナウンサー、関西大学卒。山口朝日放送アナウンサー時代には高校野球の実況も担当し、最優秀新人賞を受賞。学生時代はソフトボールで全国大会出場の経歴を持つ。

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