野球界は「実は極端に狭い世界」 引退して実感…五十嵐亮太氏が他分野から得る刺激
4月からラジオのパーソナリティにも挑戦「違う世界を知った時の刺激は凄い」
現役を離れて初めて知った実況アナウンサーのプロフェッショナリズム。その姿にリスペクトを抱きながら、五十嵐氏自身も4月からラジオ番組「REAL SPORTS」(Inter FM)のパーソナリティを務めるようになった。パートナーを組むのは、ソフトバンク元監督・秋山幸二氏の愛娘でスポーツキャスターの秋山真凜さんだ。番組では、スポーツに関わる様々なゲストを招き、そのプロフェッショナリズムに迫る。
「僕は今まで野球の世界でしか生きてこなかったから、違う世界の人と話をするのがすごく楽しいですね。野球以外のスポーツがどう成り立っているのか、組織的な話や金銭面の話など、いろいろ聞けて楽しい。野球って広いようでいて、実は極端に狭い世界でもあるので、違う世界から新たな刺激を受けます」
野球は狭い世界だと改めて実感したのは、2016年オフにメキシコのウインターリーグに参加した時だったという。メキシコ北西部の街・クリアカンを本拠地を置くトマテロスと契約。現地に到着すると、チームメートの中になんと7人も顔見知りがいた。
「『俺、超グローバルだな』って思いましたよ。初めて行くメキシコのチームに7人も知り合いがいるんだから(笑)。ソフトバンクで一緒だった選手がいたり、メッツやヤンキースで一緒だった選手がいたり。トマテロスのコーチをしていたロビンソン・キャンセルはメッツ時代のチームメートで、この人が僕と高橋尚成さんを勘違いしたおかげで、日本でもなかった先発をしたこともありました(笑)。確かに僕はドミニカ共和国のウインターリーグなど、いろいろな場所に行きましたけど、結局は野球って狭い世界なんです。だから、野球しか知らずに生きてきた僕にとって、違う世界を知った時の刺激は凄いですよ」
これまでゲストとして、パルクール世界女王の泉ひかり、カープ女子グラドルの菜乃花、FIFA公認カメラマンの小中村政一らが登場。それぞれの舞台で活躍するゲストの話に腰を乗りだして聞き入ってしまうという。
「例えば、小中村さんはFIFA公認カメラマンになるために、それまでやっていた仕事を辞めて、海外でカメラマンとしてやっていこうと決めるわけです。それで関係者を探して直談判して、人間関係を築き上げて、何度も交渉を重ねて、FIFA公認になるんですけど、その行動力とか羨ましいと思いますね。僕も比較的思い立ったら動くタイプだけど、そこまでできるかといったらできない。ちょっと夢見ちゃいますよね」
つい先日までインタビューされる立場だった五十嵐氏だが、インタビューする側となると好奇心を止められず。「ゲストの話を引き出すよりも、どんどん興味が沸いてきて、聞きたいことを前のめりに聞いている感じです」と苦笑い。それでも「いろいろな分野のプロフェッショナルと一緒に仕事ができるのは特別です」と、貴重な機会に感謝する。
野球に関わる仕事の奥深さを知り、また野球以外の広い世界を知るようになった引退後の日々。今年で42歳を迎えるが、新たな発見の連続に忙しい毎日を送っている。
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公式Instagram https://www.instagram.com/ryota_igarashi53/
(佐藤直子 / Naoko Sato)