「私なら佐藤輝明をこう打ち取る」 大洋の伝説的エースがシミュレート「穴も多い」
当初は振り回していたバースだが、ミートを心掛けた2年目は打率大幅アップ
ただ、豪快に振り切る佐藤輝のスイングは、遠藤氏にかつてしのぎを削った強打者を思い起こさせる。現在も阪神ファンに“神”と崇められるランディ・バース氏である。「来日1年目の彼は大振りで、ブルンブルン引っ張りにかかっていた。僕はほとんど前へ飛ばさせなかったと思います」と語る。
ところが、「同僚の掛布(雅之氏)がレフトへホームランを打つ姿を参考にしたのか、2年目以降は外角を強引に振らず、ミートするようになった。それでも十分外野のフェンスを越えていくことを覚えたのです。打ち取るのが難しくなり、僕も外角球をレフトスタンドへ放り込まれた本塁打が3本あったと記憶しています」と振り返る。
確かに、バース氏は来日1年目の1983年は打率.288、35本塁打。翌1984年には本塁打は27本に減ったものの、打率が.326に大幅アップした。そして日本に慣れ切った1985、86年に2年連続3冠王に輝き、1985年の阪神日本一の原動力にもなった。2年連続最多勝(1983、84年)を含む6年連続2桁勝利(1982~87年)をマークした遠藤氏とは名勝負を繰り広げた。
「佐藤輝も相手投手との駆け引きを重ねながら、来季以降さらに進化する可能性があります」と遠藤氏。周囲が本当に驚かされるのは、来季以降なのかもしれない。
(Full-Count編集部)