鷹バレンティンは復活できるか? 苦戦した昨季からの“変化”と騒動の真相

「いい時でも悪い時でも野球は楽しむことを心がけている」

 2年目を迎えた今季、バレンティンは自身の打撃を見つめ直したという。「自分のことを良く研究したよ」。臆せずインコースに投げ込んでくるパ・リーグの投手に苦戦したことが大きな課題だった。「真ん中からインコースにより早くバットを出せるようにやってきたんだ」。勝負がかかる移籍2年目。序盤は2軍暮らしだったが、腐らず打撃の状態を上げることに注力した。

 昨季途中、自身のSNSで「お金で幸せは買えない」といった内容の投稿をし、世間を騒がせた。昨季はコロナ禍のために家族が来日できず、バレンティンは単身赴任。球団関係者によると、この頃、米国に残した家族との間に不安を抱えており、精神的に苦しんでいたのだという。2軍暮らしが続いていたこともあり、タイミング悪く、ああいった誤解を招く投稿になったのだという。

 ただ、そうした不安を抱えながらも、グラウンド上では明るく振る舞ってきた。昨季も終盤、ベンチを温める日々が続いても川島らとチームの雰囲気を盛り上げる姿が印象的だった。「どんな時でも、いい時でも悪い時でも野球は楽しむことを心がけている。今、それができているというのは嬉しいことだね」。今季も松田や川島らと和気藹々とした雰囲気を生み出している。

 2013年にはプロ野球記録となる60本塁打を放ち、3度のセ・リーグ本塁打王にも輝いたバレンティン。外国人ではタフィ・ローズ(464本)、アレックス・ラミレス(380本)、アレックス・カブレラ(357本)に続く4人目となる通算300号まで、あと1本。大砲・バレンティンは、慣れ親しんだセ・リーグ相手の交流戦で真の復活を遂げるだろうか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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