田中将大、8回95球で見えた「リミッター解除」 省エネ投球を可能にした“出し入れ”
「田中将と則本昂が完投を見据えた投球をしてくれないと…」
就任1年目の石井一久監督は春季キャンプ中に「先発投手には中6日・120球を求める」との方針を掲げ、昨年までメジャーリーグで「中4日・100球」をメドに投げてきた田中将も例外ではないと明言していた。しかし今季7試合に登板しているマー君の最多投球数は、5月1日ロッテ戦の106球。打たせて取る投球で球数を抑えていたこの日も、同点で迎えた9回のマウンドには向かわず、守護神の松井に託した。
「右ヒラメ筋を痛めて今季初登板が開幕3週間後にずれ込んだので、これまで慎重を期していたのは理解できます。だが、肩や肘の故障ではないし、足のケガも既に癒えていると聞いている。そろそろリミッターを解除していいし、この日のようなピッチングができている時は完投の絶好のチャンスだったのではないかと思いました」と語る。
チーム事情も関係する。「先発5本柱のうち、岸が不調で抹消され、開幕投手を務めた涌井にも少し疲れが見える。新人の早川を無理に引っ張るわけにはいかない。残る田中将と則本昂が完投を見据えた投球をしてくれないと、リリーフ陣の負担が大きくなり苦しくなってくると思う」と野口氏。
今季の楽天投手陣の完投は、岸と早川が1度ずつ(29日現在)。いよいよマー君がマウンド上でゲームセットの瞬間を迎える姿が見られるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)