コロナ禍や負傷…離脱者が止まらない西武 それでも光明もたらす“3人の躍動”

呉念庭は山川復帰後も二塁でスタメン、山田遥楓は源田の“代役”に

 愛斗だけでなく、6年目・27歳で右投左打の呉念庭(ウー・ネンティン)内野手は、今のところ規定打席数をクリアし打率.285、4本塁打25打点。山川が開幕早々左脚を痛めて抹消されると代わりの一塁手を務め、山川復帰後は二塁手としてスタメン出場を続けている。

 守備で貢献しているのは、7年目・24歳の山田遥楓(はるか)内野手だ。昨季ゴールデングラブ賞を獲得した二塁手の外崎や控えの山野辺が4月上旬に立て続けにケガで戦列を離れたことから、代役の二塁手として白羽の矢が立った。山川が復帰し、呉が二塁に回ってきたことで出場機会を失うかに見えたが、今度は源田離脱でショートを任されることに。5月30日の阪神戦では、4回2死二、三塁で大山が三遊間へ放った痛烈なライナーを逆シングルでジャンピングキャッチ。美技でチームを鼓舞した。

 球界ナンバーワン遊撃手の源田と互角とは言えないまでも、内野のどこを守っても高いレベルでこなす。昨季の1軍出場は8試合に過ぎなかったが、今季はすでに41試合。打率.212、0本塁打6打点が示す通り打撃が課題だが、試合中誰よりも大声を張り上げるムードメーカーでもあり、同じ佐賀県出身の辻監督は「チームに力を与えてくれている」と評する。

 出場機会が増え、確実に経験と実力を蓄えている3人。シーズン終盤まで優勝争いに生き残り、主力がそろった時、「結果的にコロナのお陰でチーム力が上がった」と言われるくらいになれば何よりだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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