交流戦好調DeNA三浦監督に求められる“やりくり” チームの「生命線」に生じる異変

エスコバーは1回2失点&12号弾のオースティンは途中交代

 7回をエスコバー、8回を山崎康晃投手、9回を守護神・三嶋一輝投手が担う勝利の方程式はDeNAの“生命線”で、基本的に替えは利かない。三浦監督も「(エスコバーは)疲れが出ているのは確かだが、なんとか今いるメンバーで戦っていくしかない。頑張ってもらうしかない」と言う。

 エスコバーは、2019年にリーグ最多の74試合に登板するなど、昨季まで3年連続50試合以上に登板。コロナ禍で来日が遅れた今季も、初登板した4月21日以降のチーム39試合中、約60%の23試合で投げている。山崎に教わった「男は黙って投げるだけ」をキャッチフレーズにしているタフネス左腕にも疲れが出ているようだ。三浦監督は今後、“方程式”の再構築を迫られるかもしれない。

 一方、攻撃の要にも不吉な兆しが。タイラー・オースティン外野手は1回、バックスクリーン左へ豪快な12号2ランを放った。ところが4回、四球で出塁し、宮崎の左翼線二塁打で一塁から長駆ホームインした際、左ハムストリングに違和感を訴え、6回の打席では代打を送られ交代した。

 指揮官は「病院に行く予定はない」と軽症を強調。しかし、オースティンは6日のロッテ戦でもファウルを打った際、腰に手を当て痛みに表情を歪めるシーンがあった。8日の西武戦からは高い守備力を誇るにも関わらずDHで出場している。

 コロナ禍で1軍登録が開幕3週間後の4月13日にずれ込みながら、チーム最多の12本塁打、打率.331をマークしているオースティンが万が一離脱するようなことがあれば、衝撃は計り知れない。開幕から最下位を“独走”していたDeNAが息を吹き返したのは、オースティンとソトが合流し調子を上げてからなのだ。

 交流戦に入った途端、攻勢に転じたDeNAだが、就任1年目の指揮官は舞台裏で難しいやりくりを迫られている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY