中日・根尾らに甲子園で敗れてから3年 西武・渡邉が初登板で投じた衝撃の“第1球”
辻監督は今後の先発起用を示唆「もちろん考えますよ」
速球だけではない。6回には伊藤光を外角低めのカーブで、7回にはソトを3球連続カットボールで、ともに空振り三振に仕留めた。7回には1死一、二塁のピンチで得点圏打率.483を誇る大和を迎えたが、カウント2-1から低めの146キロ速球を打たせ、遊ゴロ併殺でしのぎ切った。
埼玉・浦和学院高3年の夏には、エースとして甲子園ベスト8の原動力となったが、準々決勝で現中日の根尾、現ロッテの藤原らを擁する大阪桐蔭高に敗れた。ドラフト2位で西武入りし、3年目で1軍のマウンドにこぎ着けた。
辻発彦監督は「初登板だろ? それにしてはしっかり落ち着いて投げていた」と評価。先発が手薄なチーム事情があり、「もちろん(先発起用を)考えますよ。そこを視野に入れながら、3回を投げさせてみた」と明かした。一方で、次回登板での即先発は否定する。「下(2軍)でも、ずっと先発ローテで投げていたわけではなく、先発とか中継ぎとか、いろんなことをやって今がある」と説明。今後の登板が“昇格試験”となる。
今季イースタン・リーグでは12試合2勝2敗、防御率7.13と決して芳しいものではなかった。それでも1軍に呼ばれたのは、豊かな潜在能力を評価されているからだろう。「まあ、後は自分でつかむしかない。チャンスをあげた時に、どれだけのピッチングができるか」と語った指揮官の期待にどう応えるか。一気にスターダムにのし上がる可能性も秘めている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)