「一気に肩がバコンと外れた」 生々しい故障の瞬間…リハビリ支えた“不屈の先輩たち”

現在はライオンズアカデミーのコーチを務める【写真:球団提供】
現在はライオンズアカデミーのコーチを務める【写真:球団提供】

2014年に日米野球出場、同学年の坂本・柳田・前田らと交流を深めた

「引退を決めた時は、いい意味で無理だと思いました。やれることをやり尽くした。これ以上はもう無理でした。球団には感謝しかないです。こんなによくしてくれた球団に、戦力外を発表させるんだったら、自分からけじめをつけようと思いました。引退試合にセレモニーまでしてもらえた。これ以上は何もありません」

 チームには松坂大輔投手や、内海哲也投手ら怪我からの復帰を目指す先輩投手がいた。リハビリに励む中で、その存在が大きかった。

「内海さんは誰よりも早く来て、ウエートルームで身体を動かしていました。松坂さんもリハビリでグラウンドに出られないから、ウエートルームに籠ってみんなが知らないところで追い込んでいた。あの松坂さんが『あー』とか言っていて『嘘でしょ』と思いながら見ていました。陰で努力している。そうじゃなきゃ、メジャーでもあれだけ結果を残せない。素晴らしい先輩方を近くで見られたのは力になりました」

 8年と長くはない現役生活だったが、人との出会いが宝になった。中でも、侍ジャパン日本代表のチームメートとの思い出は、かけがえのないものだという。

「一番年俸が低くて、とてもじゃないけど野球の話は聞けないし『自分なんかが……』と申し訳ない気持ちでした。絶対に仲良くなれないと思っていたのに、みんな良くしてくれた。中田(翔・日ハム)は家に招待してくれたり、柳田(悠岐・ソフトバンク)、坂本(勇人・巨人)、前田(健太・ツインズ)は同級生なので会を開いたり、坂本は自分が引退するときに花を送ってくれた。縁があったのが本当に嬉しいです」

 高橋さんは2021年にライオンズアカデミーのコーチに就任した。野球を通じて、たくさんのことを学び、大切な仲間と出会った。子どもたちにも、そんな野球の楽しさを伝えていくつもりだ。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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