「長い目で見ていかないと」12打数ノーヒット…苦しむ鷹・栗原を思う工藤監督の“親心”
広島との3連戦で12打数ノーヒットに終わった栗原
■ソフトバンク 1ー1 広島(10日・PayPayドーム)
ソフトバンクの栗原陵矢捕手が苦しんでいる。打撃のほとんどの部門でチーム上位に位置していたが、広島との3連戦では12打数ノーヒット。そのうちの半数が本来、得意としてきた得点圏での打席だった。
交流戦前半では本塁打も放ち、お立ち台に上がる活躍を見せていた栗原だが、横浜戦で相手の好守に2度ヒットを阻まれ、そこから快音が途絶えはじめた。広島との3連戦では12打数ノーヒットに終わった。
もちろん一番悔しい思いをしているのは栗原本人だろう。10日も好機で一塁手の正面を突くライナーを放った後、がっくりと肩を落としていた。この栗原の姿に工藤公康監督は「ず~っと打つのは無理ですよ」と栗原をかばいながら、こう続けた。
「身体のキレとかの部分じゃないかなと思います。スイングが鈍い部分もあるので、そういう時は無心でバットを振るのも大事だよと話をしました。確かに野手の正面を突くこともありましたが、芯に当たってないところもあったので、その辺はバッティングコーチといろいろと話をしながらやるのも1つの方法だと思います」
栗原のここまでの功績は大きい。指揮官は、それをしっかりと理解したうえで壁にぶち当たりつつある若鷹にエールを送る。
「今まで打ってチームを助けてきているし、打てなくて悔しい気持ちはあると思いますが、僕らは長い目で見ていかないと。オープン戦の時は(不調で開幕メンバーから)外すかという話にもなっていましたが、苦しんだから何かが吹っ切れて打てるようになったと思うので、また一つ階段を昇るために、ここは耐えてやってほしい」
柳田悠岐や中村晃と並ぶ鷹のポイントゲッターであることは誰もが認めるところ。昨年、打撃不振でスタメン落ちした悔しさが栗原の心の中には残っているはずだ。その悔しさを思い出しながら、交流戦の最後のカードでまた大暴れしてくれることだろう。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)