交流戦驚異の得点圏打率.750 西武に嬉しい悲鳴、“新4番”は外崎復帰でどこ守る?
観客も?「これから広島へ行くので、早く帰らないといけなくて、すみません!」
そのヒーローインタビューの最後に、「次の試合に向けてファンへメッセージを」と振られると、「これから広島へ行くので、早く帰らないといけなくて、すみません!」と頭を下げ、周囲をキョトンとさせた。チームはこの日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で順延となっていた広島戦2試合が14日と15日に組まれたため、試合後に敵地へ移動することになっていた。「次の試合に向けて」と言っても、そういう趣旨の質問ではない。こんな“天然キャラ”もご愛敬だ。
今季は開幕1軍を逃したが、開幕から6日目の3月31日に昇格。山川、外崎ら主力が相次ぎケガで戦列を離れたことから、まず一塁で先発出場のチャンスを得た。一塁レギュラーの山川が復帰すると、主にセカンドを守ることに。試合途中から三塁や一塁へ回ることもある。今季は一塁手として34試合、二塁手で29試合、三塁で5試合に出場(14日現在)。もともと内野ならどこでも守れるユーティリティプレーヤーで、過去には遊撃手やDHで出場した経験も持っている。
問題は、死球を受けて左腓骨骨折を負い2軍で調整中の外崎が復帰したら、絶対的な勝負強さを発揮している呉をどのポジションで使うのか。外崎は本来正二塁手で、昨季はゴールデングラブ賞を獲得している。辻監督は「(外崎は)今月中くらいには行けるんじゃないか、というところまで来ている」と見通しを語っている。
一塁・山川、二塁・外崎、三塁・中村、遊撃・源田と並ぶ顔ぶれは一見、付け入る隙がない。だが、チーム野手最年長コンビの中村と栗山巧外野手を、フルに守備に就かせるのは酷。呉や、内外野を幅広く守れるスパンジェンバーグを含め、どう起用していくかは指揮官の腕の見せ所と言える。
呉は今季トータルでリーグ7位の打率.295をマークし、6本塁打34打点(13日現在)。いずれにせよ、現状の打棒が続く限り、スタメンで使わない手はない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)