「シーズン最後の1か月のように」 ロッテ井口監督が重視する“五輪前ダッシュ”

目を見張ったセ若手打者の勢い「安田にはいい刺激になったのでは」

 久しぶりに公式戦でセ・リーグ球団と対戦し、今まで見た中でも今年はどのチームも打線に活気があると感じました。やはりタイガースだったらルーキーの佐藤輝明選手。ヤクルトでは村上宗隆選手にも1発打たれましたし、ジャイアンツの岡本和真選手には初戦1本、2戦目には2本もスタンドに運ばれた。主砲にしっかり打たれると、なかなか試合には勝てません。

 同年代の活躍を目の当たりにして、安田(尚憲)にはいい刺激になったのではないかと思います。一時期調子を落としていましたが、ここへ来て上向いているところなので、自分も負けていられないという気持ちが沸いてきたのではないかと思います。

 春先の練習試合やオープン戦を除けば、セ・リーグの試合や選手は実際に見ることができません。今回の交流戦を終え、改めていい選手がでてきたなと思いますし、他にも手本になる選手がたくさんいる。他の選手たちにとっても、またチームとしてもいい刺激をもらった交流戦期間になったと思います。

 投手陣では、5月に(佐々木)朗希が1軍デビューし、ここまで3試合を投げました。毎試合、球数やイニングを少しずつ伸ばしながら、投球内容やマウンド捌きなど成長している様子が皆さんにも伝わっているのではないでしょうか。本人も自信を深めながらウイニングショットを投げている。しっかり調整しながらマウンドに上がることができています。現時点では10日間の調整期間で進んでいますが、オールスター以降はどのくらいの間隔で投げられるのか、今から期待するところですね。

 ここまで前半戦は接戦が多かったので、中継ぎに負担が掛かってしまいました。その結果として、ハーマンや唐川の不調に繋がってしまった部分は否めません。交流戦後にトレードでDeNAから国吉佑樹投手を獲得しましたが、ブルペンの厚みを増すためにも、先発からの配置転換も考えるなど柔軟に対応していく予定です。

 5月には、ドラフト1位左腕の鈴木(昭汰)に一時期、中継ぎを経験させました。長いイニングを好投してくれるのですが、1イニングだけボールが高く浮き、失点が重なってしまうなど、もったいない投球が多かった。これは若い投手にはよくあることなので、中継ぎで短いイニングの中でしっかりボールとストライクを投げ切るピッチングを意識してもらいたい意図がありました。もちろん、これから先発で起用していく予定です。無駄をなくせばもっともっと勝てるピッチャーだと感じています。

五輪前の約1か月間に猛ダッシュ「あまり先を見ずに、まずはオールスターまで」

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