「不気味」なオリックス、V本命は? 飯田哲也氏が大混戦で再開のパ・リーグを読む
飯田氏が「不気味」と見る交流戦優勝のオリックス
打線は、浅村と島内を軸に、鈴木大や岡島も好調。課題だった1番打者も、2年目の小深田が6月に入ってから月間打率.353と調子を上げ定着しつつある。
その中で飯田氏は「あとは右打者でしょう」と指摘する。もともと楽天打線の主力は、浅村以外は左打者ばかり。右の強打者として期待して獲得した新外国人2人もカスティーヨが4月24日の来日初打席でいきなり左脇腹を痛めて離脱。ディクソンも打率.143の不振で5月30日に抹消されたままで「横尾、田中、内田あたりに伸びてきてほしいところ。ディクソンも2軍で打席数を増やしていると聞いているので、彼がどれだけ打てるようになるか」と飯田氏は注目している。
追うソフトバンクは、千賀、グラシアル、周東、牧原大らが故障、セットアッパーのモイネロとデスパイネはキューバ代表として東京五輪米大陸予選に出場したことに伴う隔離期間のため、戦列を離れている。飯田氏は「シーズン後半にメンバーがそろった時の爆発力は半端ない。ソフトバンクは今が我慢のしどころ。首位と3ゲーム差以内で踏ん張っておかないと巻き返すのが難しくなる。逆に楽天は今のうちに逃げておきたい」と展開を読む。
さらに「不気味」と見るのが交流戦で優勝したオリックス。ソフトバンクとゲーム差なしの3位まで浮上し、山本、宮城、山岡、田嶋、山崎福ら先発投手陣が抜群。打線も首位打者争いでトップの吉田正を中心に、4年目の福田も1番打者として打率.337と好調だ。飯田氏は「これでロメロ、モヤら外国人まで打ち出したらヤバイ。優勝ですよ」と高く評価している。
最下位の日本ハムだけはやや引き離されているが、ロッテ、西武を含めてパ・リーグは大混戦。1位から5位までが4ゲーム差内にひしめいており、今後の展開からも目が離せない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)