バント処理ダイブに果敢な盗塁企図 3勝目の大谷翔平から滲み出た“二刀流をやる意味”

5回2死一塁では一塁走者として3度盗塁企画「走った方が効率良く点が取れる」

「走ったからと言って、投球に影響するとかはあまりない。(盗塁企画は)状況によって。投手、捕手の配球もそうですし、点差の状況によって走る時は走った方が効率良く点が取れる。あそこはそういう場面だったかなと思っています。(6回の投球に影響は)なかったかなと思っています」

 100マイル(約161キロ)を超える剛速球とスプリットで奪三振ショー。打ってはリーグ2位の19本塁打をかっ飛ばす。ド派手なプレーを見せるが、16日(同17日)の敵地・アスレチックス戦では2戦連発となる19号ソロを打った後に意表を突くバント安打。プレースタイルには、いつも父・徹さんから野球ノートを通じて叩き込まれた全力疾走と全力プレーがある。時に周囲をヒヤッとさせるが、故障のリスクは本人も計算しているはず。どんな状況であろうと勝ちにつながるプレーを追い求めているように映る。

 試合後のオンライン会見。大谷が何より満足げに振り返ったのがチームの3連敗ストップだった。

「すごい大きかったです。それ(3連敗)まですごいいい勝ち方で来ていたので。逆にオークランドで思ったようにならなかっただけのことなのかなと思っています。前の勝ち方ができるように全員で取り組めたらいいのかなと思う。1勝は大きいなって思っています」

 この日からエンゼル・スタジアムは観客数の制限が解除され、3万709人が集結。大盛り上がりだった。「やっぱり気持ち良かったですね。入らないよりも入ってもらった方が選手としてもやる気も出ると思いますし、打席でもマウンドでもより集中できると思うので。やっぱり入ってもらって嬉しいなと思います」。勝ち星だけでなく、地元ファンのハートもがっちり掴んだに違いない。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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